第十一回目関東ウエーブの会オフ会 7月31日

今回のオフ会は、スタッフを含め14名が参加してくださいました。皆さん、どうもありがとうございました。始めは、皆さんに自己紹介をしていただきました。この報告は、その自己紹介の一部分と、その次に行われた懇談会を要約したものです。全部で4つの議題を取り上げましたが、考えさせられるような意見が次々と出され、結果としてとても濃い内容になりました。話の流れとしては以下の通りです。

自己紹介の部分

質問「どこで関東ウエーブの会を知りましたか?」

*私がウエーブを立ち上げました!(スタッフ)

*ウエーブ設立時からいました笑(スタッフ)

*ネットサーフィン まずはロムをして、チャットに参加した後、オフ会も参加

*幹事の魚夢さんのホームページ「魚夢の生活」を通じて

*関東ウエーブのスタッフの紹介で

NPO法人ノーチラス会(他躁うつ病団体)で聞いた・ノーチラス会リンク集で見つけた

*他躁うつ病サイト「躁うつ病と心の部屋」で知った

懇談会

議題1)夏について

補足:「夏」が体調にどう影響を与えるか、について

・気温や湿度、日照など自然環境としての夏

・社会的な環境としての夏(みんなは旅行へ行ったり遊んでいるの調子が悪くて外へ出らない、私は365日休暇だよ(涙)、等の心境)

・引いては夏に限らず、それぞれの季節が気分に与える影響等

発言:

*一般的には季節性感情障害として、春夏は躁、日照時間の少ない秋冬はうつになる、と言われているが、私の場合暑い気候の夏時は、クーラーの効いた部屋に引きこもりがち、そして涼しくなり出す10月頃に躁になる*世間が夏休みであることに世間から外れた自分はついていけない。周りが遊びや旅行に誘っても断らなければいけない、付き合いが悪い自分に嫌悪感を抱く。年始年末やGWと同様な心境。

*実際季節性で体調が変化することは、事実なのか

(答)健常者は朝起きる時、太陽の光を浴びることにより、メラトニンという睡眠物質を出て、睡眠がコントロールされ、体内時計が補正される。ノルアドレナリン等の脳内物質の放出により体全般の活性化も行う。「今日一日がんばるぞ」とエネルギーが出る。しかし、うつ状態の人は朝このような脳内物質が放出されず一日の中で少しずつ放出され夕方頃に脳が活性化する。これを日内変動と呼ぶ。

*私は日内変動を治療するにあたって爬虫類の飼育ランプ「太陽」というものを使ったこともある。

*入院すると日々が規則正しなり、活動量も制限されるので、うつが改善される

*人間の脳は自然に一日一時間体内時計がずれていく。毎日朝日を浴びることによって、体内時計が補正されると言われている。しかし季節性のうつ病と比べ、躁うつ病の場合は気分の波のリズム自体かなり乱れているのおで、厳密に季節性のものとして捉えらるか疑問

*季節や時間のリズムよりも、行事や休暇、登校等の社会的なリズムに合わせる方がむしろつらく、躁鬱の気分の波のリズム自体もあるので、厳密に規則正しい生活を行っても合わせられないものだと感じる

議題2)ひきこもりの脱出方法について

補足:ひきこみもりがひどい どこか外出しようと決心し、家のドアを開けてもすぐ閉めてしまう

このようなひきこもりの時期から回復した方に、どうゆうきっかけで乗り切った、乗り越えたか等を教えてほしい

発言(ひきこもりのつらさ・原因について)

*人に会うのが怖い

*大の大人が日中外に出ていることが、恥ずかしい

*ただ食べて寝るの繰り返しの生活がつらい

*外に出たい意思もあるし、色々試行錯誤したが、どうしても心理を超えて体の方が動かない

発言(ひきこもりを乗り切った・乗り越えたきっかけについて)

*友人から「安くて楽しい遊び」を紹介された。 銭湯に行くこと、パソコンゲーム等 とにかく楽にできることでいいので、寝ている時間より起きている時間を多くすること。寝ながら堂々めぐりに色々考えることが、収まった

*「何が自分でもできることがあるのかな」と考えてみた。ヘルパーさんの仕事を始めた。

小さい仕事・趣味を積み重ねて、だんだんと社会復帰を始めることができた。

*考えてみたら、退職した人たちは外をふらふらしている、と気づいた。自分が、早く退職したということにして、あるいはロングバケーションなんだ、休養期間なんだと割り切って、堂々と外に出ることにした。考えの転換が大事かも。

*風呂無しアパートに住んでいるから、どうしても銭湯に行くために外に出なければならない。外に毎日出なければならない、「必然的」な何かを見つけられればいいかも。

他に植物、ペットの面倒 癒しの音楽等と言った小さい引出を増やしていくことにより、外に出るための必然性を増やす 目標をとても低く設定することがポイント「自分が確実にできるであろう」ということだけやって、それで十分自分を評価する

*しかし上記の場合、「自分がそれぐらいしかできないんだ」、という気持ちがどうしても残る 人間は存在意義を満たせるぐらいの活動量が必要なのではないか そのような活動量が出ない時期には、その素質があるということを自分に言い聞かせること 本来の自分を身失わないように、本来の自分を知っている人に、リマインドしてもらうこと

*躁うつ病のうつがきっかけのひきこもりは、必ず波とともに終わるもの。大事なのには次のひきこもり時が来ないように、自分の波に自覚を持ち、コントロールすること。特に極度な躁状態にならないこと。

*私は自分の気分の波の変動について紙に書き、トイレに張った。自分の気分の波について、頻繁に自分をリマインドするため。

*ひきこもりは、入院することによって改善されることもある。一人では活動量が少なかったのに、入院中のリクリエーション等でなぜ動けるかと言うと、自分が必要とされている、認められているという気持ちがあったから。一人だとそうはいかず、悪循環になってしまう。

*入院を通じた集団生活でなくても、人間関係を保つことはとても大事

*外に出れないのは、病状を超えて外に出たいというモチベーションを感じられないという面もあるかも

なぜかというと、外には病気を理解して、病気も含めて自分を受け入れてくれる環境がなないと感じるからかもしれない

本当に外に出たくなるような強いモチベーションがないと。自分の場合はそれが当事者との関係だった。必要とされ、理解されたからだ。

*上記と似た論理で、恋をすれば外に出たくなる!

*ドライな考えだが、躁うつ病のひきこもり状態は主に「時間が薬」となる。うつ時が過ぎれば、ひきこもりも脱出できる。

*モチベーションと関連して、デイケアを申し込んだが、行けなかった 統合失調症の方が多く、同病者が少ないからかも

*ひきこもりから抜け出すことをあせってしまうことを、逆にうつを促し、ひきこもり時を伸ばしてしまう可能性も。一旦居直ることも大事

*主治医は「もうちょっと様子をみましょう」と助言する

*何度かうつの波を繰り返し、経験を積むと、「慣れ」が来るという面もある

*活動量が減るのは脳が「もっと休みなさい」と言っているから。あせらず、体にエネルギーが補充されるまで、その指令に従うべきではないか 自分を甘やかし、そんな自分を許すこと かならずいつかは終わるので議題3)単極性うつと違い、双極うつの独特の特性・悩みについて

補足:双極うつをできるだけ軽く、短く乗り越えるにはどうすればいいか

*うつの前の躁状態をできるだけ抑えることによって、うつも軽くなる

*しかし一貫的に「低め安定」状態でいることには、つらい面がある

・一回躁時を体験しその力を覚えると、低め安定はついそれと比べてしまい、つらい

・気分を単純に「上げたい」というよりかは、自分の喜怒哀楽を健康な形で表現できるようになりたい 軽躁を抑えること、つまり低め安定というのは感情表現が乏しくなり、活動量も狭められ、本来の自分の状態とは言えない

感想:激うつという恐ろしい体験をすれば、トータルに考えて躁を抑えた形が一番の状態であることを理解できるはず

*しかし軽躁状態にいる自分を自覚し把握することは難しい

*躁うつ病の躁は気分安定剤で収まるが、躁のうつに効く抗鬱剤があまりないのが現実

。トータルに見ても躁予防よりかはうつ自体をどうやって改善するかに、重点を置きたい

*激うつ予防として躁状態をコントロールするにあたって、躁は生理現象のようなもので「抑える」のは難しいかも 健全な形で躁エネルギーを発散するのはどうか例:エアロビ

議題4)就労について

補足:丁度いいぐらいに状態が安定したきたと思い、就労を始めたが、どれくらいのペースで、どのような形で就労を進めるべきか、アドバイスが欲しい

*ハローワーク、あるいはハローワークを通じて地域のサポートセンターで、病気につい

「オープン」で探された方が、サポートもあり、長い目で見ればいいかもしれない病気について「クローズド」だとどうしても弊害がある

*クローズで三年間働いている。色々つらいことがあるが、とにかく我慢が重要

*専門の仕事、自分が得意としている分野の仕事を見つけるのがいいと思う。色々な選択肢がある中で、持続できるのは、自分がやりたいこと 自分の経験を活かせる職場が最適

*地域の就労障害者支援センターに相談するのをお勧めする。無職だと居場所がないが、支援センターで同じ状況にいる仲間と出会う、居場所にもなる

*就職した後に仕事を持続するコツ:自分の活動量と病状を把握し、エネルギーを使いすぎていることに気づいたら、自分にストップをかけること

懇談会の報告は以上です。懇談会終了後の経過としては、懇親会で夕食を食べて、歓談しました。その後、有志で二次会を行い、居酒屋へ行きました。

短い時間でしたが、馴染みの顔にも、新しい方とも会えて、気ままなくお話しができ、とても心落ち着くオフ会でした。同病者とともに「鎧」を外しありのままの自分でいられる、貴重なひと時でした。みなさんお疲れ様でした。是非またお会いしましょう。