関東ウエーブ10月30日のミニオフ会報告
今回のミニオフ会は、10名が参加してくださいました。皆さん、ありがとうございました。
ミニオフ会は
1.まず簡単な自己紹介をし、
2.懇談会を行い
※ミニオフの懇談会とは、最近躁うつ病に関して気になっていること、興味があること、悩んでいることなどを基本的にフリートークすること。一応記録としては議題にまとめました。
3.懇親会
※夜ご飯と雑談
4.有志で二次会
という流れで行いました。
この報告は、懇談会の議題と、その内容を短くまとめたものです。
今回のミニオフでは4つの議題を取り上げましたが、躁うつ病の基礎から、病気との付き合い方、医療について、今後の展望まで等幅広く取り上げ、とても充実した内容となりました。議題の記録は以下の通りです:
議題
◎躁うつ病の病識について
◎うつ時のすごし方と、その改善について
◎リーマスの副作用について
◎就活、社会参加、人間関係を含めた「今後」について
記録
1.躁うつ病の病識について
病識をもつきっかけとなった症状やサインはなにか
○自分のうつは、「よく言われているうつ」と違ううつだな、と気づいた時
○うつ病の症状として、不眠、食欲減退がよく言われるが、躁うつ病のうつ症状として過眠や過食が多く見られること
○いらいら(躁状態)
○気分安定剤が抗うつ剤より効果的だ、と気づいた時(抗うつ剤では躁転してしまう)
○躁とうつの波をチャートに書いた時
○躁のあとのうつは、うつ病のうつと違い「躁にやった時の後悔」という感情をもつこと ○波をとにかく繰り返し、時間の経過とともに自覚が強まる
○いつもの自分より病的に「できない」「できすぎる」と感じる時(活動量が通常より偏っている)
○日常生活が乱れる(時間のリズム、日課としていること)
○躁うつ病と自分では関連づけていない症状も(ひきこもり、依存症など)躁うつ病の二次的症状かもしれない
○最近社会的に「うつ状態」の診断が流行化している面がある。うつ状態は短期間で安定するようだが、躁うつ病は慢性病と言われ、とにかく付き合っていかなければ、長期的に考えなければ、と自覚をもった時
・DCMでも「二週間」うつだとうつ病と言われているが、私たちは実際何年もこの病気と付き合っている。うつ状態を半年で乗り越えた友達に「あなたも乗り越えられるよ。私もできたんだから。」と言われると、困る。
・「完全に治るまで・・・」という社会の偏見。
・「治る」ということについて基準でもあるのか
・「病識と服薬が寛解につながる」と言われるが「病識をもつ」と「治る」とは違うぞ、社会よ
○ストレスがきっかけと言うケースは多い
○入院した時、自覚をもった。入院する前は自覚をもっていない、というよりかは、自覚はあるが、自ら受け入れたくないという感じで、薬を飲んでいなかった。
でもそれが原因で入院せざるをないほどの状態になってしまい、やっと病気を受け入れた。
「痛い目にあって、やっと気づかざるをない」という面がある
○浪費した、躁時の産物をうつの時に冷静に目の当りにした時(買った品物の山など)
ほかに病識についての意見やアドバイス
○実際は躁うつ病でも必ず最初は「うつ」と診断されることが多い
○「躁」の時は「病気が治った」と感じてしまい、病識を持つのに時間がかかってしまう
○年金関連で問われる「初診」というのは見極めにくい
○自分が病気かどうかわからなかった
→病名にこだわる前に今の自分の症状の把握と改善に努める
あるいは診断されるべき「病気」かどうかは、最悪のケースとして置いておいて、まず病気ではなく、短期間で治る可能性を考え・見出していくその後それが効かなければ長期的な病として考えてみる
○躁状態をうつの「焦燥感」と誤診された
○「躁」と「うつ」を自覚するのもそうだが、本来の安定した自分がどこなのかすら分からなくなってしまう ○躁うつ病という診断をどう受け止めるかには、二種類ある気がする:外部の病気か、元から躁鬱気質で内部からのものか。
「外部の病気にとりつかれ、いつもの自分を奪われた」か「いつもこんな感じだったので、診断されることによって人生の謎か解明された」
○病気と診断されて「自分のせいじゃないんだ」と安心する面がある。
○生活リズムをできるだけ整える→「睡眠チャート」
○自分が躁うつ病かどうかわからない時は、病院に行って、診断について慎重に相談するべき
2.うつ時の過ごし方と、その改善
うつの時のすごし方
○過眠・過食・お酒、とにかく気を紛らわせるために、時間を食うために極端な方向に走ってしまう
○激うつの時はとにかくその波に流されるしかできない
○低め安定の時は極端な方向にはいかないが、地味につらい。活動量が少なく、無味乾燥。
うつ病の不眠・食べないなどを改善する薬があるが双極性うつの色々な「やりすぎちゃう」の薬ない〜
その改善方法について
○気分安定剤でコントロールする
○カウンセリング
○睡眠の専門家
○モディオダール
○それ以上の(低め安定以上の)改善は、永遠のテーマ
3.リーマスの副作用について
※リーマスとは、「一番基本的」と言われている気分安定薬
○震え
○副作用が出るのは、血中濃度が高すぎるからなのか
○リーマスは「ちょっと副作用が出るぐらい」じゃないと効かないのか
○リーマスの副作用が生活に支障場合、その代わりとなる気分安定薬はある:デパケン、テグレトール
他抗精神病薬など:ジプレクサ リスパダール セロクエル ○あまりリーマスの濃度を増やすと、中毒に注意しなければいけない
○薬の知識があるのなら、自分から医者に提案等して変えていく
「自己判断はよくない」と説教される可能性があるか
4.就活、社会参加、人間関係を含めた「今後」ついて
○病気になって友達が離れて行った
○産業医は会社へのリスクを患者のニーズより優先しているよう
○病気に理解のない「組織の論理」に組み込められない形、あるいは社会的通念に縛られない形で、
今後社会に関わり、人間関係を築いていきたい
○社会参加を持続できている躁うつ病者にも、持続できていない躁うつ病とは違う形のつらさがある
○「これからどうしようか」
○履歴書の「空欄」の期間を指摘され、バイトを何回か採用されなかった
○「就職すること」が唯一の目標でないといけないのか
○形はどうであれ、自分のQOL(Quality Of Life:生活の充実度)が上がるのが一番優先ではないか
○オープン(病気について告げた上での就活)でも、障害者枠に限られ、その中でも選択肢は少ない
○就職できだとしても「辞めさせられる恐怖」を常に感じる
○ある会社では、精神障害者をサポートする体制が組み込まれている
○社会参加や人生観についての、今までの固定観念や先入観を取り払うことによって、選択肢を広めることができる一組織、年功序列、場所など
懇談会の報告は以上です。
短い時間でしたが、馴染みの顔にも、新しい方とも会えて、気ままにお話しができ、とても心落ち着くミニオフ会でした。躁うつ病を包括的に見直すチャンスとなり、スタッフとしてもみなさまに感謝をしたいです。参加者の方々お疲れ様でした。ミニオフは今後定期的に行っていく予定なので、まだミニオフ参加したことない方々も含めて、是非お会いしたいです。
‐スタッフ一同