2013年3月30日 第14回関東ウェーブの会オフ会 記録
今回のオフには、スタッフも含め23名の方々が参加してくださいました。
懇談会は20名の参加・懇親会は11名の参加となりました。ここ最近のオフ会・ミニオフ会の中では、最高記録となる参加者数でした。あいにくの天気の中、お越しいただいた皆様には心より感謝しております。
この記録は、オフ会の流れと懇談会で話し合ったことをまとめたものです。
ぜひお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
《オフ会の流れ》
@レク(ホットポテト、というゲーム) 約15分
A自己紹介(1人約2〜3分) 約1時間
B懇談会 約3時間(休憩約30分を含む)
1: 家族からの理解を得るにはどうしたらよいか
2: 病気との付き合い方
3: 支援等を使って働くこと、就労について
4: 支援制度について
5: 躁状態の時の特殊能力について
C懇親会 約2時間
D2次会(有志)
まず、レクリエーションとして「ホットポテト」という簡単なゲームを行いました。皆さんが少しリラックスされたところで、参加者全員の自己紹介に移りました。主に簡単な病歴と最近の体調に関してお話いただきました。今回は時間の都合上、短めの自己紹介とさせていただきました。懇談会では、参加者の方々から事前にお預かりしていた話題とその場でお出しいただいた話題を元に、話合いを行いました。
その後の懇親会では、夕食を食べながら参加者同士で自由に話をしました。
最後に有志で居酒屋へ行き、2次会を行いました。
《懇談会の要約》
今回は、参加者の方々からお出しいただいた5つの話題を取り上げました。1つの話題につき、約20分〜40分ほどの時間をかけて、話し合いました。以下は、話し合われた内容の要約です。
話題1:家族からの理解を得るにはどうしたらよいか
☆話題を出してくれた方の思い:自分の家族には、躁うつ病についての理解が感じられない。「躁うつ病」=精神的に弱い、と思われていて、辛い。最終的に頼れるのは家族なので、家族からの理解をできるだけ得たい。
まず、参加者に「自分は家族からの理解を得られていると思うか」ということを聞いた。
その結果、得られている、得られていない、ともに1/3ほどで、残りの1/3は、どちらとも言えないという状況であった。これらを踏まえて、以下のような意見があった。
1)理解を得られていると感じている人の意見
・病気そのものよりも、「状態(今はなにもできない状態である、等)」を分かってもらえるような関係を築いた。
すると、家族が自分の状態をパターン化して把握するまでになった。
・自分は荒れていた時期があったので、家族は病気であるということを受け入れざるを得ない状況だった。家におかせてもらえ、また、あまりおせっかいをせずにいてくれたことがありがたい。
・同病の家族がいるが、家族内に辛さを分かり合える人がいることは支えになっている。
2)理解を得られていないと感じている人の意見
・そもそも、家族に病気のことを言っていない。
・家族に理解してもらおうと思うことをあきらめた。あきらめたらすっきりし、逆に家族のほうが自分をきにかけるようになった。
3)その他の意見・アドバイス等
・自分は家族から否定はされていないが、家族が積極的に病気を知ろうとすることもない。
・家族と言えど、自分と関わる時間などにより理解してくれる人とそうでない人がいる。
・当事者か、家族のどちらかが歩み寄る努力をしないかぎり、理解してもらうことはできないのではないか。
・家族に理解されることにこだわる必要がないのではないか。別に理解される場を探すほうが、前向き。
・前に当事者の家族から、「どういう状況にあっても、親は子供を愛している、それは忘れないで欲しい」とおわれたことがある。それが真実であれば、うれしい。
話題2:病気との付き合い方
ここではこの話題について、大きく2つのテーマに分けて話した。
1)普段の生活を保つにはどうしたらよいか
☆話題を出してくれた方の思い:自分は一人暮らしだが、自炊や入浴などができないことがある。
それらをできるようになりたいのだが、みなはどのように生活を営んでいるのか。
(以下参加者の意見)
・自分も一人暮らしだが、そのときにできることだけをやっている。どうしてもできないこと、やりたくないことはやらない。入浴できないこともあれば、食事も外食で済ませることもあるが、それでよし、としている。
・うつだと夕方まで寝ていることもあり、何日も入浴できなかったり自炊しないこともあるが、気にしない。
・昼夜逆転など不規則な生活の改善のためには、まずは自分の状態を自覚することが重要。そのために、社会リズム療法などを取り入れ、記録をつけてみてはどうか。
2)気分の波をどう見極めるか
☆話題を出してくれた方の思い:自分は今までは決まったパターンで躁・うつの波が来ていたが、そのパターンが最近になって変わりそうである。気分の波を見極め、活動量などをうまくセーブするにはどうしたらよいのか。
(以下参加者の意見)・自分の今の状態に合わせてながら、今しなければならない最低限の物事できるようにすることが必要。
・今の状態を見極めるためには、なにか自分の中での基準が必要。その基準を見つけるために、日々の状態を記録することはとても有効。
・(上の意見に対して)うつのときには、記録をとること自体が困難。
・常に記録をつけていれば、「記録がつけられなかった」という空白の時期があることにも気がつくはず。だからこそ、普段から何かしらの形で記録をつけることが必要だ。
・自分が置かれている立場や状況で、自分が最低限守るべき状態は人それぞれなはず。あまり人と比べない。
・躁うつ病の波は、脳科学的なものであるという見解が強い。活動量は、波を引き起こす「トリガー(引き金)」に過ぎないのではないか。
話題3:支援等を使って働くこと、就労について
☆話題を出してくれた方の思い:自分の住んでいる地域で、休職後の復職を支援するシステムや退職した後の再就職支援の場を知っている(例:障害者職業センター・就業生活支援センター 等)。
みなは、そのような支援をどのように活用しているのか。
*参加者の中に、障害者雇用でフルタイムで働かれている方がいらっしゃったので、お話を伺う流れになった。
・障害者雇用で働くメリット・デメリットについて
メリット:周囲も気を使ってくれる。会社内に健康保険室があり、いつでも相談できる。産業医が週1回来る。
デメリット:給料が一般雇用よりも安い。契約社員のため、休みにくい。障害者雇用に対するコンプレックスがある。
・就職の際、面接では病気に関してどこまで話したか:正直に、マイナスの面も含めて話した。
それらを隠さないことを考慮したうえでの障害者雇用という選択だったので。
話題4:支援制度について
☆話題を出してくれた方の思い:自分は障害を受け入れて生きていこうと思った。さまざまな制度があることを知ったが、実際にどのように使えばよいのか。
社労士にも相談して障害年金2級を申請しているのだが、みなはどうしているのか。
(以下参加者の意見)
・今、障害年金の審査の基準がシビアになってきているようである。審査は、医師の診断書に頼るところが大きい。
・障害年金の審査の基準は、「働けている・働けていない」というよりも、「生活できている・できていない」ということが重要らしい。自分はそれで基準に達せず審査に通らなかった。・自分で調べてやるのが大変であれば、社労士に相談するのもよい考えなのではないか。
話題5:躁状態の時の特殊能力について ☆話題を出してくれた方の思い:自分は絵を描くが、躁状態時でないと描けない。躁の時は、視覚が優れるように感じる。また、相手の感情をかなり感じ取ることができるようになると感じた。
みなは躁状態の時に、感性が敏感になるなどの躁特有の経験はあるか。
(以下参加者の経験談)
・写真を撮るときに、視覚にとてもよく集中できるようになる。大躁転を起こしたときは、見るのもすべてがスローモーションに映り、聞くものすべてが大音量に聞こえた。
・躁の時は、「天国にいるような」感覚。逆にうつのときは、視覚からの情報を処理しきれなくなる。
・相手と共感しすぎるようになる。赤ちゃん、さらには動物などにも共感できるようになる。
・寝なくても疲れずに活動することができる。
以上
《最後に》
以上が懇談会の記録です。
この後に行なったの懇親会でも、参加者の方によるさまざまな療法の紹介や書籍の紹介などがあったり、参加者の方々同士の話もはずんだりと、とても有意義な時間だったのではないかと思います。
また、懇談会途中の休憩時間にも、みなさんで情報交換や楽しいお話をすることができました。
全体的に和やかで、しかも密度の濃い時間を過ごすことができたと私は思います。
参加していただきました皆様、本当にありがとうございました。