2014年12月6日 ミニオフ会記録

スタッフ側より最初におねがい:

まず、関東ウエーブの今のあり方が築き上げられて来た背景について。

躁うつ病者が集まると、トラブルが必ずと言っていいほど起こるので、歴史的に見ても例えば精神病棟では躁うつ病者同士は離されて隔離されていて、当事者会も同じ流れの中でなかなか発足しなかった。

しかしネットが普及してから、躁うつ病者の交流はサキさんのサイトから始まった。サイトで集まった少数がオフ会を開催し始めたが、トラブルが起こっては解散を繰り返すのが3年ぐらい続いた。その後、継続的にオフ会を開催することを掲げ関西ウエーブ・関東ウエーブが発足した。

そして今も尚、一環して継続性を持って当事者中心が運営する会、つまり躁うつ病の自助会と言えるのは関西ウエーブ・関東ウエーブしかありません。

当事者会は当事者に開放されていること、内部で起こったことは内部で責任を取ることが基本中の基本。

しかし個人的な問題など、つまり会の責任の範囲外のことは会場の外でやっていただきたい。

話題提案

1.薬が合うか合わないかをどのようにして見極めるか

2.薬が効かないケースについて

3.子供の頃から躁うつ気質だったか あるいは病前性格について

4.きついものの言い方をしそうな時にどうしたらよいかどうやって免れるのだろう

5.どのように生活(生計を立てて)いるか

6.何もできない自分とどう向き合っていくか

7.関東ウエーブの会とは何ぞや

1.薬が合うか合わないかをどのようにして見極めるか

・躁かうつなのかがはっきり分からないので、合う薬以前に、何の状態のための薬を選べばいいか分からない

・低め安定を意識して薬を選ぶべきなのか

・太る薬はさけたい。ジプレキサやセロクエル・躁うつ病のうつにはラミクタールと言われている。ただし1割の確立で皮膚のひどい副作用が出る。薬は飲み続けると体に馴染んで行って副作用もあまり感じなくなるのではないだろうか。自分の場合、ラミクタールで目がかすんだけど、飲み続けたらなくなってきた。

・薬に耐性がついてくると、効果も薄れていく

・リーマスは血中濃度を何度も図って、調整していく

・ラミクタールも少量でちょっとずつちょっとずつ増やして行く

・セロクエルは血糖値が上がる

・副作用があるどうか、薬が合うかどうかは飲んで見ないと分からない よく耳する情報にしろ、一般論に過ぎない 躁うつ病の薬はまだ他の精神病の薬と比べて開発し始めたばかりで、人体実験のような構えでいる

・薬物は脳関で阻止されて頭の中には入らない そうゆう状況で薬を作らないといけないから、副作用はなにかしら必ずある、脳関を通って頭の中に働く薬は解明されていないし、研究されていたとしても人によって違うし

・薬を変える時、SSRIだけは少しずつ抜いて

・副作用か症状が見極められない時、主治医が副作用として認めてくれない時どこに相談すればいいのか

2.薬が効かないケースについて

・入院をしてデパケン・リーマスを処方してもらう

・入院先に9年入院しているラピッドサイクラのおじいさんがいて、明らかに薬が効いていない

・躁を抑制するのは薬だけの問題じゃなくて、自分の捉え方・社会観・病気になる前の性格が反映している

・色んな人と話している間に、自分のことも分かってくる

・医者は基本的に患者を生物体として捉えている、自助会ではその人の背景や個性を見れる

・躁は本来の個性を抑圧してしまったりする。例えば、本来モラルを逸脱したりする人間ではないけれど、症状として逸脱してしまう。病識がないと認知が歪んで自分の責任だと思ってしまう。案外病前性格は誠実・ピュアな人が多いから、その本来の性格を同病者とともに発掘し直したい。自分を信頼し直すプロセスにつながると思う。

・躁の抑え方って難しいからなかなか助言ができない。とくにU型が1型に対してだと

・躁うつ病を患っていると認知能力が低下すると聞いているか、加齢によるものか、病気なのか、見分けがつかない

・リチウム+デパケン 認知症になりやすい?

・デパケン 脳が委縮する

・リーマスによって健忘が出るケースもある

・デパケンは「感情が平坦化する」

・デパケンの健忘体験は多々ある ベンゾジアゼピン系

・躁うつ病が病気として認知してから歴史が浅いから、薬を一生涯飲んでいる人がいて、研究されたことがないのではないか。つまり薬の影響ははっきりと分かっていない。ずっと付き合っていくにしてはあまりにも人体にどうゆう影響を及ぼしているか解明されていない・躁うつ病者は生活習慣病になりやすい、老化なのか、症状なのか、薬の影響なのか見極められない。

3.子供の頃から躁うつ気質だったか あるいは病前性格について

話題提案者より:子供の頃から明るい時期・暗い時期 人に話せる・話せない時期 性格がころころ変わる 他人を気にせずはしゃいでしまう年、別の年には先生に気に入られるぐらいまじめになる

他の同病者もこうゆうことあったのだろうか。落ち込んだり高揚したり。

子供の頃ADHDと診断されたら、躁うつ病とも診断される傾向が強くなるらしい。

・好き嫌いが激しかった 中間のグレーを受け入れられない

・完ぺき主義、几帳面

・小学校の低学年の頃からこの世に自分一人しかいないと感じていた自分しか信じられない 唯我論

・自分が中心誇大妄想

・主観的にしか物事が捕えられない 客観的に物事が見られない

・何でも感動しすぎ

・制服がみんな同じなのが気持ち悪い 電車の中にいると人がみんな猿に見える 自分と他人が違うように感じる

・物の捉え方がずれている 合理的じゃない

・昼寝を取ったらどーんと落ち込む

・極度の寂しがり屋 夏休みになるとOCD 学校にいる時テンション高い 自我の発達が遅いというか、自分と他者の微細な距離感の調整ができなくて、自分の主観から抜け出せていないから、感情のリアクションも不器用で極端

・セロトニントランスポーター テンションが高いことが共通している

4.きついものの言い方をしそうな時にどうしたらよいかどうやって免れるのだろう

・躁の時は自己主張が強いけれど、乗り越えられた アスペルガーも担っているが、人の話を聞き入れられない カウンセラーと一緒にアクティブリスニングのトレーニングを受けたり

いかに相手の話を引き出すような相槌をしたり、質問を投げかけたりできるか。

・会議の場で怒鳴りまくる、相手が屈服するまで攻撃しまくるというのはある。とにかくそうゆう場にいる限りはそうなるんだから、自分がそうなっていると気づいたら物理的に離れる。例えば「トイレ」とか、ここだったら落ち着けるって場所を決めている。抑えるトリガーを自分の中に作って行けるかどうか。

・ゆっくりしゃべる、相手の様子を見る、間をけっこう開ける、口調がはやいと前へ前へと進める。

・自分が優しくしようと思うだけではなく、ほんとに優しい人間にならないといけない。

傷つくことを言うんだったらそうゆうものが自分の中にある。

病気を持つとそうゆうことができなくなる。心の中に今まで出てこなかったものが出てくる。自分の責任ではない。周りにも理解してもらわないといけない。

・深呼吸する

・自分の外側に自分を見る自分を作る。自己対象化する。

・躁状態だと気づくチャンスと捉える。

・ピリドキサミン=漢方 ビタミンB6 人と接する時過敏にならない脳が平凡になる

・リスパダールの液 一時間以内ぐらいで躁の状態が落ちる

・会議だったら時間場所が決まっているので自己暗示を前もってできる。日常業務だとなかなかそれはできない

・相手に怒っているというわけじゃなくて自分に余裕がないんだと思う。 時間的に、感情的に、余裕がない。病識が薄いから勢いで埋め合わそうとする。相手に言うことを聞いてほしい時はもっと冷静に戦略的に高見に立って言い聞かせれば自分にとっても有利なはずなのにできないのは直接的に怒っているというよりは余裕のなさ。

だからなるべく日ごろから余裕を持つよう意識する。

5.どのように生活して(生計を立てて)いるか

話題提案者:精神疾患もっていてオープンだと給料が低いと聞いた。障害年金の保護をもらっていて、とくに家族を持ちながら働いている方など、

苦労している面、今後どうゆう風に暮らして行こうと感じているかお聞きしたい。

・自営業(個人タクシー)はフレキシブルでいつ寝込んでしまうか分からないこの病気にはぴったり

・障害年金を二級から三級に落とすことが最近頻繁に行われている。

・生活保護への抵抗は本人もあるし、周りにも非難されてしまう。でも生きて行くことは権利という以前のこととして人間の本性だと思う。

・躁うつ病の診断書がないと仕事をまず探しなさいとはねられてしまう場合があるけれど、診断書があれば仕事ができないという証明になる。

・一旦生活保護にしてから仕事を探すこともできる。

・追い詰められないように。

・障害者枠

・提案者は、就労できるぐらいの体調なのか

・実家の支援を一時的に受けるのはどうか

・少しずつフルタイムを目指して行く。今の負担を考えて無理なことに突っ込んでいかない方がいい。

6.何もできない自分とどう向き合っていくか話題提案者:

人の仕事は、ただどれくらい体と頭を働かせて何かを生産することができるかに還元できないと思う。

人は存在するだけで、人としての一番根源的な仕事をしているんだと思う。誠実な人として生きたいと思っていかにしてそうできるかとひたむきに考える(というか、ただ死なないで生きる)だけで、その創造はどんな物理的な生産よりも重要な価値をもつと思う。

だから私は社会のみんなと共同して社会を作っていきたいから、社会参加もそれとして目指すけど、自分の存在価値の有無は、社会参加の量でなくて、自分の存在の質そのもので判断していこうと思うけれど、皆さんはどう思うか。

・経済の仕組みに自分を組み込まないといけない。社会は善意だけで成り立っていない。

社会生活を営めていないと厳しい。

でも、家庭の主婦は無賃だけど、主婦の労働をお金に換えられるんだったらすごい給料になる。そうゆうことは生きる上で必要なことだから。資本主義社会の捉え方だと主婦業はお金にならないから仕事とみなされないが、立派な仕事。そうやって仕事の捉え方を我々が考え直していくべき。

・赤ちゃんはにこにこしているだけですごい存在感。赤ちゃんなのにそんな存在なんてすごいな。人の存在価値について考えさせられる。

・障害者が働けるシステムを社会が確立できていない。・障害者だからこその障害者独特の能力を発掘して、使って社会を変える。

・労働力をあげて給料をもらうことが社会の価値基準になっているけど、自分たちで仕事を作っていこうよ。例えばべてるの会。

・この世に生まれてビジネスゲームに放り込まれた。学校もビジネスゲームに放り込むためのもの。逃れられない。

・今の社会が行きにくいのだったら、自分たちが生きやすくしていかなきゃいけない。

・なんで私たちはお金の力でうおうさおうさせられないといけないのか

全世界の富の99%を1%がにぎっている。大資本が全世界を所有している。

・1930年代大恐慌、今は歴史を繰り返す一途を辿っている。今の資本関係は世界的に見てほんとにどうなるか分からない。福祉のとこに金が流れて行かないといけない、お金を使わずに生活してきた方が圧倒的に長い。福祉とかそうゆう会として物申して行くのもあるけれど、毎日働いていようと働いていまいと自分がやっているんだって自信が必要

・1%に立ち向かうには、99%を組織させること

・例えば会として情報交換したものを集める。集まりとして力を合わせれば、当事者として、一番大事なことが分かってくる。

・社会で障害者は疎外されている。でも会と関わる中で共同性を覚えた。それは何よりも財産だから、その共同するという原点から会を発展させていきたい。

・会社は打席に常に乗れる人を求めている。前は、躁うつ病者は毎回ホームランを打ちたがるタイプだから、打席にいるという立場をわきまえないといけないと感じたが、今は、ホームランをみんなで交代で打てばいいと思えた。

・社会との間に膜をはっている。それを打ち破れば、人は集まると思う。

・やっぱりオフ会という形で、バーチャルだけじゃなくて、顔を合わせて会わないといけない。

7.関東ウエーブの会とは何ぞや

・20年前には躁うつ病のサイトはなかった。

・躁うつ病のサイトがまったくない中、サキさんのサイトが初めて。躁うつ病のポータルサイトになるから、狭めないで幅広いサイトにしないといけないとエルダーさんはサキさんにお願いしていた。

そこは非常に活発になっていって、オフ会を5〜6回やっていたけど、毎回オフ会の幹事が一国一城の主のようでパワーゲームが繰り広げられたり参加者が嫌気をさしてすぐにダメになる。

関東ウエーブが発足した後も、関東ウエーブを乗っ取ろうとする激しいやりとりが長期間続いたこともあった。

・スタッフの結束 毎回会議 民主主義・大きくしたいと思うけれど、受け皿がすぐできるだろうか、スタッフ体制をしっかりしないと、キャパ的にも信頼性としても責任とれない

・会を私物化した経過を始め、組織的な問題。必ずふりかかるこれらの問題をどうやって乗り越えていくか。

・排除のない会 民主的な会 当事者中心の会 この三本柱を守り続けること。

・ルールに縛られた会、ご家族や医療機関が実質運営している会 色々あるが、我々は当事者中心の会を継続していく。

・会の作り方を伝達して、地域に増やして行くのはどうか。

・サービスを与える側、受ける側ではなくて、スタッフも参加者も含めてみんなの会として、何かの目的に向かって共に会を作って生きたい。

・交流・現場の知を提供する

・安心を与える場 自分は一人じゃないんだ

・関東ウエーブの会の本を出すのはどうだろう。

・来て帰っちゃう人とリピーターがいる 二次的な人はスタッフになる 両方いても矛盾はしないと思う。

・それぞれの会がそれぞれの独自性を持っていていいと思う。

最後に、一参加者からのお願い:参加者のみなさんが好きなこと・熱中していることを聞きたい。

・オムニバスコメディ

・音楽 オアシス

・公平な社会を作ること

・精神障害の差別と偏見をなくす仕事をすること

・仏教をもっと現代的にできないか

・ライブパフォーマンス

・映画 仕事

・彼女との部屋を探す

・海

・自分に合った仕事のスタイルを模索している

・グアム

・絵本

・99%が主人公になる社会

・はとバス巡り 障害者が誇りを持って生きられる社会を目指したい

スタッフより:今後、この「関東ウエーブとは何ぞや」という議題を、継続してオフ会の最後に取り上げていければと思っています。スタッフと参加者の皆さんと共に、ウエーブの発展を考えていければと思います。