2016 年度第2回関東ウエーブの会例会(6月19日土曜日)

 

配布された資料:

一つは「孤独と躁うつ病」、「主治医との相性」と懇談会の前半:

 

【躁うつ病と共に生きるとは】

 https://bipolar.ac/kanto/report/archive/tolivebipolar.pdf  

 

もう一つは「排除をしない会」、「オブザーバー参加について」など懇談会の後半の参考資料となります:

 

【関東ウエーブを維持・発展させていくとは】

 https://bipolar.ac/kanto/report/archive/progressingkantowave.pdf

 

 

《はじめに》

 今回の例会,懇談会,懇親会を通して,スタッフを含め全体で 17 名の方々が参加してくださいました。来年度の会員性に向けて、例会の特徴として、前半には躁うつ病者に共通する普遍的な話題を、後半にはそのような話しをさらに発展的に会として続けていけるよう会のあり方をと、参加者の皆さんとお話してきました。今回は主治医との関わりから、社会的な関わりの中で我々が抱く孤独感、孤立感について話しを発展させる中で、会がどの孤独な躁うつ病者をも排除しない会として発展してきたか紐解いていきました。

今回はこじんまりとしていたのもあり、懇親会では,真剣なお話しの緊張も一気に解放して、仲間との時間の楽しさと開放感を改めて噛み締めることができました。

 以下は当日のスケジュールと,懇談会で話し合ったことの要約です。参加された方々には是非例会を振り返っていただき,今後に役立てていただければ幸いです。参加されなかった方々にも,この記録がウェーブに興味を持っていただくきっかけになればと思います。

 

《当日のスケジュール》

(1)自己紹介(14:0014:40)

(2)懇談会「1 部 主治医との相性について(14:5015:20

(3)懇談会「2 部 躁うつ病と孤独(孤立)について(前半)15:3016:00)

(4)懇談会「2部 躁うつ病と孤独(孤立)について(後半)」(16:1016:30)

(5)懇談会「3 部 開かれた会として特徴付けられる関東ウエーブ(第三回運営交流会レジュメの 2(16:4016:55)

(6)オブザーバー参加について(上記レジュメの6)(16551700

懇親会終了 17:00

休憩・買い出し等 50

(7)懇親会(18:0020:30)

 

司会より:

来年度の会員性を検討する上で今年度は、「会をどういう会にしていくか」ということを毎回の例会で皆さんと話し合える時間を設けていきたいと思っています。

今回は「開かれた会の前提としてある排除のない会」ということで、会の大事な理念を紹介したいと思います。

 

その前に、躁うつ病者と孤独(孤立)について話したいと思っていますが、排除のない会の根底には、私たちに共通した孤独があり、なぜ排除のない会を守ろうとしているのか、その孤独を掘り下げていく以外にできないと思います。

 

1.主治医との相性について

話題提案者:現在服用している気分安定剤のデパケンがうつに効いていない。リーマスや、新しい抗精神病薬に変えて欲しいと言っても、主治医は変えてくれない。先生とのコミュニケーションが上手く行っていないので、主治医を変えたいと考えている。

皆さんはどういう観点でお医者さんを選ばれているのか。お聞きしたい。(今は近くのクリニックに通っている)

 

・参加者の中で、主治医との相性が合っているか合っていないか聞いたところ、大半の人は合っていると答えた。その中で、以前は合わない主治医だったけれど、合った主治医に変えた人が 3 人いたので、ご意見を聞いた。

20 回ぐらいドクターショッピングして、最終的に躁うつ病だと診断してくれたのが今の主治医。ドクターショッピングはあまり好ましくないけど、知識・情報があまりない中で、直接会ってみないとわからない。悪い医者は診察がとても短時間だし、こちらの愁訴に対して真剣に向き合ってもらえない。

カウンセリング(保険点数外)は安くて、1 時間以上話してくれる、その人が躁うつ病と判断してくれた。

薬については、ネットの知識を振りかざすと医者は嫌がる。しかし、ある程度防衛しないといけないので悩ましい。リーマスは、OD しない限り出してもらえるはず。

でも本当の理由も出してもらえなかったら信頼できなくなるのは自然。

リーマスを出してもらえない理由は言ってもらえました?血中濃度は測られました?

・話題提案者:血中濃度は測った。デパケンは躁に効くから、処方されているみたい?

・デパケンは肝臓に良くない。リーマスは腎臓に良くなく甲状腺ホルモンの低下もある。・医者は、自分たちの知らないとこでちゃんと判断してくれている時もあれば、なんだかなぁと言うときもある。ちゃんと知識を得て防衛する必要もあるけど、あまり振りかざすと信頼関係が、なので、バランスが大事。

司会:薬について、副作用が出た等主治医に皆さんはちゃんと訴えられる関係にありますか?

・大学病院に通っているが、あっちからすれば実験材料だから、色んな薬を出してくれて、抗不安薬も。案外大学病院の方がいいかもしれない。クリニックは保守的なイメージ。・今の主治医はいい主治医。薬の調整に関して、患者の話も聞いてくれて、合わなかったら薬を変えてくれたり、必要に応じて減薬の案も出してくれる。

司会:薬についての信頼関係もあるけど、話し合うフィーリングの信頼関係はどうだろう?合わない方はいらっしゃいますか?薬とか治療がいいから妥協しているのか、ほんとにフィーリングは合っているのか。

・フィーリングは合うけど、全然能力は信頼していない。紹介は最もだったのだけど最近まで何の薬を出されていたかよく分からなかった。怪しい。一分診療。でも気が合うのでくだらない話しして、あんまり深刻に考えたりすると私は逆に良くないから合っている。・話題提案者:三分診療。それから薬が自動的に出てくる。すべて決め付けてくる。次の医者を探す基準もよく分からない。

・自費で、ドクターショッピングするのがいいと思う。提案者の話しを聞いていて、絶対変えた方がいいと思う。一方的に薬について話し合わないでそれを減らそう、増やそうとか、調子悪いとき(下がっている時は上げる、上げるときは下げるとか)うつっぽい時は効うつ剤出してくれとか、あちらがダメと言っても気兼ねなくディスカッションができる医者が良い。

最近 10 数年付き合ってきた先生を変えた。トータルサポーターにも相談したんだけど、その決め手は今の先生の誠実さと、話を丁寧に聞いてくれること。それはフィーリング。

・保険所を使って、同じ月に色んなところをショッピングしたらほんとは違反なんだけど、月が変わるときに、ぽんと病院変えてみれば何の問題もない。

・二人三脚でやってきた先生を辞めた理由は、結果。14 年やってきた中で、2 回再発した。すべて先生は悪いとは思わないけど、不信を抱いた。医者はコミュニケーションと結果だと思うので、改善しないのであればいくらいい先生とめぐり合えてもよくないと思う

司会:(配布した資料から)病気を安定させる主体は自分であり、主治医はそのためのツールと思っている、と過去記録に書いてある。

司会2:カウンセラーと精神科医が両方いるところがお勧め。カウンセラーとまず話し込んでいくことが大事。PSW やワーカーでも。そうすると主治医との間に立ってくれる。司会:カウンセラーを保険点数外でやっている。恵まれた環境に我ながらいると思う。

PSW は、どうやってアクセスできるのか?

・大きい病院だから、PSW は?と受付に聞いてみる。

・業務独占ではないので、名称独占ということで、名称は PSW だけど、業務は無資格の方もやってもいいことになっている。ほとんどの方は資格をとっていると思うけど、資格を取っていないワーカーは知識ない。

・(家族の方)当事者の家族と一緒に診察を受けているが、例えば私に言えないことが本人にあるかもしれないし、逆に本人について細かいことは主治医の前では言えない。電話とか別々にできるんですかって聞いたら、それは先生にご主人と一緒に聞いてみて下さいといわれた。

・先生に手紙を書く。

・別の日に一人で診察に行けばどうか?

・司会:主治医を見つけるには、この後の懇親会で話して、参加者の病院に行ってみてもいいかもしれない。

 

2.躁うつ病と孤独・孤立について

司会:(配布した資料)第二回運営交流会は孤独について、第三回は会の来るきっかけが、孤独についてのことが多かった。

ウエーブの原点はそこにあるのかなということで共有できればと思います。

今の現状でもいいけど、躁うつになって、孤独になった、人とやりづらくなって自ら孤立になった、孤独(孤立)と病気と共にあるのをお話したい。

自自分が行っている病院の仲間が4人亡くなった。それはいわゆる自殺じゃなく、孤独死だった。自殺をするという発想に至るような状態でない人もいて、本人も知らぬ間に死ぬ方へ追いやられたという風に感じた。

それまでは孤独も自己責任と思っていたし、淘汰だ、とさえ思っていたけど、自分の身近の人がどんどん死んでいくのは 何かをしたいという意思を芽生えなくさせてしまっている、病気以上に、病気を取り巻く環境がその意思を奪うのかもしれないと思えるようになった。孤独にならないような社会的システムを求めるぐらいにもなった。

・病気のせいで孤独だというのは大半だと思うし、この病気でなければこんなことを考えなくてもいいのにと思う。その上、病気の問題を色々一人で背負って相談できない現実。・気持ちとしての孤独もあるが、実際の社会的孤立・健常者の中で孤立もある。

・病気だから疎外される・健常者にカミングアウトしたいけど、できない。周りとお付き合いしていても心の中は孤独。

・孤立(社会的な状態、自分だけが実際に離れてしまう)、孤独(それをその人が孤独として感じる孤独感)と違うものだと思う。

・孤独は、受け取る側の人間の感受性の問題だと思う。人の評価で自分を認めてもらわなくても自分を評価できる。自分でも自尊心が欠けていた部分があると孤独と感じるのかもしれない。

・本来的に人は孤独なんだと、この病気で疎外されて痛感させられた。それをきっかけに人のもっと健全な共同したあり方を求めるようになったのでむしろ病気に感謝している。・社会に出るとものすごいよろいをつけて武装して周りと付き合い、帰るとすごい疲れる・子供とすぐ会える距離にいたかったので、離婚後一人暮らしをしていた時期があったが、人生で一番孤独な時期だった。友達はみんな理解のある人ばっかりだったけど、一人ではこの病気では向き合えないと思って実家に帰って家族のサポートの下で病気と向き合おう直そうと新規一転。孤独がきっかけでこの会に来たというのもある。

・孤立は社会的、孤独は心理的。社会的に孤立しているからといって心理的に孤独しているわけじゃないしviceversa。密接に関係あるけどイコールではない。自分は両方ともある。同僚には言えないこともあるし、リスパダールの副作用で太ったら、やせなーと軽く言われたくない。段々独り言が多くなる。セルフネグレクト(あまり身なりに気を使わなくなる、人格水準の低下)心理的な孤独はある意味で救済される、こういう会もそう。セルフネグレクトには皆さん陥らないでいただきたい。

・病気を発症したころ、専業主婦をしていたが、ママ友たちのグループがあって、そこの話しに入っていけなく、孤独を感じた。二年前に、病気が理由で家を追い出されて、生まれて初めての一人暮らし、子供たちに会えない、家族に会えない。こちらに紹介していただいて色んな方と出会えることで孤独が解消されたとこもある。

・病気で家に追い出されて、家の近くのミスドに通っていた。ドーナッツが嫌いだけど、人の声を聞くために。それぐらい孤独だった。その後ネットで交流を広げ、この会にお世話になっている。

・昔普通に付き合ってた友達がけんかとか、向こうも嫌な思いをしたんだろうし、離れて行った。うつの時は、むしろ一人にしてほしいから寂しいと感じなかった。

飲みに行くのを覚えちゃったら、よくないことかもしれないけど寂しいときに使える手段は持てた。

・海外の大学にいたとき、一番ひどいうつだったが、調子が安定していた最初の一週間で作った友達が一気に離れていって、人はどれほど容易く異質なことに目を背けたり見放すか思い知らされて、自分はそのような人間にはなりたくないとその後感じた。例えば、お風呂にずっと入らず、独り言ばかり言っていたが、周りが自分をホームレスかのように露骨にシカとするので、躁転したらホームレスの人に積極的に話したりした。当時母いわく「自分が挫折した姿をあなたの中で鏡のように見るから、目を背けるのよ」とのこと。今は同病者にすごい救われているが、そのような健常者の社会から疎外されていると感じるのは以前として変わらない。

・必ず社会との接点を持つようにしている その中でのウエーブだと感じている。

・(家族の方)主人は全然会に行くのは乗り気じゃないけど、孤立感を感じているのは確か。同僚に病気のことを言って、それが広がって、距離を置かれた。お願いだから同じ会社の人に言わないで、別の場所で言おうと訴えた。

主人がこういうとこに来て、どう思うのかな、癒されると思うのか、違うように思うのか、気になる。

・病気の最初の方は、自分自身への偏見、最初の犠牲を受け入れるのはほんとに難しいことで、とくにステータスがあるほど、そういうのを許せることはできない。入社した会社が名が知れていた、「なぜ私が」と感じた。

37 年前にうつになって、何回か上がったり下がったり、全部台無しになってを繰り返して、自分で何なんだろうと、ある日行方不明になったりとか、周りは理解があるけど、失敗を繰り返し、そのたびにゼロになって積み重ねにならないし、居場所がない。最近になってようやく仕事がやりやすく、理解のある人を見つけた。さっきの自尊心の話しのように、自分に対しての尊厳を失ってしまったことが一番孤独につながったと思う。

・今どちらかというと孤独ではない。パートタイムで就業もしてるし、会社に一部の人もこういう存在だと伝えて、姉に言って、義理の兄貴にも言って、両親にも言って、犬にも言った。今の自分はこうなんだと受け止めてくれているから、孤独ではない。がんばっていた会社の人たちからすごく仕事の面でドジをしてしまって、色んな人たちからいっぺんに信頼を失ったのが孤独だと思った。

・会に来た頃、ある人と付き合っていて、その人も問題がある人で、ある日住所、電話番号、親しか知らない状態で夜逃げをして連絡を絶った。それが一番孤独だった、でも孤独=弱いというイメージでそうは思いたくなかったから、色んな薬やお酒で回避していた、その頃からずっと孤独だったという事実から回避していたのかもしれない。

大学の授業で、自尊感情についてのアンケート形式の心理テストを一年生と三年生で二度行ったが、三年生の方が上がっていた。自分を認めることができるようになったんだと感じた。

・孤独と差別の問題はつながっていると思う。国の方では制度があるけど、会社では建前になっていて、現実では裏で横行している。仕事回してくれなかったり、居づらくしたり。

それを見極めないといけないのが難しい。

・社会的生命を奪われた時。退職せざるを得なかった。教員を長くやっていたけれど、色んな迷惑をかけた。退職したことによって、妻とお母さんと長男と娘と犬に(家)でも不幸なりかねない。

社会的孤独から解消されるために資格を取る

 

3.「排除のない会を前提とした開かれた会」

(配布資料より、第三回運営交流会で会員制にする上で検討した12項目の内1つ:

「会の理念、会の目的は一人一人の躁鬱病者の人間的な幸福の追求を最大限追及しますが、すべての躁うつ病者に開かれた会として、躁うつ病者全体に通じる普遍的な人間的幸福を

追求することを前提とします。この二つの調和を追及するのがこの会の特徴です」)

 

この開かれた会というスタンスを考える上でまずもって最低限排除をしないことがいかに

躁うつ病者の気質として難しく、会の存続にとって不可欠かスタッフから提起した。

 

司会:皆さん、どこかしらから、疎外や排除され、排除されるのが怖く自ら一人になった経験があると思うし、だからここに集まったということもあると思う。では、このように躁うつ病者と集まっていて、この中で分裂・排除が起らないというと、絶対そうはいかない。なんでそう断言できるかというと、この会が発足した頃も集まりができてはつぶれてを繰り返して、その中でいざこざも起り、関東ウエーブはそれが起らないようにとしてきたとし、今後もこのように集まり続けていきたい。

もしも躁うつ病者の姿はこうあるべきという価値観を決めてしまったら、そういう人だけを対象にしてしまい、私たちが持っているイメージにそぐわない、めんどくさい人等、その人たちは孤独になってしまう。会のあり方としていけないし、それでは会は続かないだから排除のない会を守っていっている。

今からのお話しのつなぎとしても、躁うつ病者の孤独を見据えることが、私たちの理念の根幹にあるということをご理解いただきたい。

司会2:10 年間この会を見てきたが、その視点から今の孤独についての話し合いがどういう風に見えたか。

最近、精神病について軽症化されてきた(障害者手帳 3 級がどんどん発行されていて 2 級が減っていて)、10 年前には聞いたことなかったような軽症の病名が出てきて(今までは基本的に障害者と認定されていたのが、躁うつ病、統合失調症、てんかん)、障害者就労移行支援に通うには総合支援法において障害者認定が必要だったのが、今やダブルスタンダード。就労移行支援事業に置ける認定は独立行政法人高齢・障害・求職雇用支援機構で認定される。

実感として、10 年前の関東ウエーブの会とそれ以前の集まりの症状と、今の症状を見た場合に明らかに軽症化している。どういう点で言えるかというと、働いている人が増えている、10 年前の関東ウエーブの会は四分の一ぐらい。

当時参加していた人たちはこういう会に来れていないのか。来れていない重度の躁うつ病者が現にいて、それが非常に気にかかる。

それを度返しして、我々はやっていけない。実際にはなにもできないかもしれないけど、念頭にはそういうことを置いておかないといけない。

関東ウエーブの原点は、孤独な躁鬱病者の集まりを作るということだったが、今は変わっている。でも、果たして、全体を見たら孤独から解放されているのか疑問に感じている

この会はそのように会に来れない(疎外された)人たちとともにも歩んで生きたいと考えている。

スタッフ:関東ウエーブが 10 年間排除のない会を守り抜いてきた排除のない論理を守ってきたのは、関東ウエーブのトップページの左側に書いてある:「躁うつ病のオフ会とは  躁うつ病(双極性気分(感情)障害)と周辺のほとんどの方が「周りに理解してもらえない」という独特な孤独感を多かれ少なかれ経験していらっしゃいます。サイトや掲示板、チャットでの交流もありますが文字だけではなかなかリアルな人間関係はできません。オフ会に参加することで実際の人間関係を作り、今までの「孤独」な存在から解放されることは共通した経験です。素朴な疑問、わからなかったことなどを実際に解決することもできます。」

 

「オフ会を継続することの重要性

 躁うつ病者が孤独の中で頑張って生きていると、個性的で頑固な人も多いのです。働けなくなることも多く、生活を脅かします。オフ会で集い、病気とたたかい生きる糧を見出すのが目標です。躁うつ病者の集いはトラブルが多いこともあります。病気と一人でたたかってきた結果だとすると、お互いに深く理解し合い、自己を磨く中で、乗り超えることができるのです。重要なのは継続的な交流だと考えています。希望を持って歩んでいきます。」

 

最初の頃は、内部分裂もあって、関東ウエーブは意識的に「誰でもいいよ」というスタンスを取った。「躁うつ病周辺」(躁を一回でも経験したことある方、その家族やパートナーの方だったら誰でもいい)という考え方もそこから生まれた:

(関東ウエーブトップページより)

「躁うつ病(双極性障害)と同じようなリスクがある病気に統合失調気分(感情)障害(DSM-IV 分類)、非定型精神病(ICD 10 分類)があります。この二つの分類はほとんど同じ症状です。その他、医師の誤診などで明らかに躁うつ病であるのに他の病名の診断を受ける場合があります。関東ウェーブの会ではこれらの方々は当人という考えです。それに加えて家族と交際相手を含めて「躁うつ病周辺」と考えてオフ会その他に参加していただいています。」意外と躁うつ病者が集まると裏方の排除の論理があって、うちだけはそういうことがないと固い絆があった。

排除を積極的に行う会と関わる中で会に大きな負担を与えたこともあった。

 

スタッフ:心の放課後掲示板というのが最初のきっかけでそこでオフ会をしようということで、ただ飲み会だけのオフ会で、それがその過程で内部分裂があったりして、こういう座談会になり、私は最初の内は傷のなめあいという印象を受けて、一時期はなれた。また来たいなと思って、ちょうど幹事・副幹事がメインで司会をされていて、とても会の内容が充実していて前向きで、何でこんな変わったんだろう、それからウエーブが変わったんじゃないかとスタッフをやらしてもらうことになった。

 

スタッフ:私がスタッフになったころは、丁度ウエーブの内部分裂が落ち着いた頃。さっきの孤独の話しに戻るが、同病者と出会うことによってとてつもなく孤独から解消されたのもあって、その中で躁うつ病者がさらに排除を行ってしまうことは絶対に繰り返してはいけないと痛感した。その後、排除が横行する会と関わるようになって、自分自身がそこから疎外された経験を経て、本当に躁うつ病者は感情をぶつけ合ったり分裂しやすいことを身にしみて感じた。関東ウエーブは最初から排除をしないスタンスを取ったことは、躁うつ病者がダブルスタンダード(社会から疎外された同士でさらに疎外を生む)であってはいけないという正義感以前に、会が存続する必要最低限のスタンスであると理解してきたし、そうやって色んな難しいケースと向き合ったり立ち向かったりする中で、それ以上

に会を強固なもの、発展的で豊かにしていくものだと理解が深まってきた。

 

スタッフ:戦後 50 年躁うつ病の団体は一切なかった、私の知人である病院長が躁うつ病者を病院にいれたら端と端にやると言っていた。やっと躁うつ病者同士で連絡を取り始めたのがインターネットの普及で、サキさんが躁うつ病と心の部屋で、窓口を狭くしてはいけないと主張していたが、だんだん狭くなっていった。

掲示板で知り合って、オフ会をやろうと音頭を取るのは大抵一国一条の主、思うように思う人を集めるようになる。なかなかそういう意味で人格者というのはない。

だから関東ウエーブの会は一人が中心になるんじゃなくて、スタッフで決めてきた。

「躁うつ病者にはスタンダードを作らないといけないんだ」と主張した人が、実際会を乗っ取ろうとした。

躁うつ病者が誰かを排除するようになってしまうのはとても容易いからこそ、そのような主を作らないためにも、一切排除をしないということでしか継続は叶わない。

もちろん人格者がいて、こじんまりとした形で継続するのは可能かもしれないが、もっと恒常的に利害を考えた会は排除がないものでないといけない。

難しい人を受け入れることによって、スタッフのふところが広くなる。

会員性にしたら、会員全員でその意識をもてたら、すごい力を引き出せる。

そもそも社会からあらぬ言葉で排除されてきたから、排除をする立場に立ったとたんに自らを抹殺することになってしまう。

 

このような理念に断ち切った、以上のような歴史は、一回文章化して HP に載せる方がいいかもしれない。

 

4.是非、スタッフ会議のオブザーバー参加を!

(配布資料より、第三回運営交流会で会員制にする上で検討した12項目の内1つ:

「6.会員の「権利」は会の運営についての意見をスタッフ会議に提案し、スタッフ会議にもオブザーバー参加(決定権はありません)することができます。会の会合・行事には無条件で参加できます。」

スタッフは毎月 2 回、ネット電話においてスタッフ会議を開いています。さらに会の今後の発展について、関わってみたい方、是非オブザーバー参加を!

 

以上。

 

《さいごに》

 今回は関東ウェーブの第 2 回目の例会でした。今回も、話題を絞って話し合いましたが、前半から後半へと、躁うつ病者の深い孤独と社会的排除の問題を掘り下げると、我々の中でこそ排除のないという理念を貫いてなんぼなんだと、会の基本理念に立ち返って強く確信を持てました。

 そうやって、参加者一人一人の悩みと課題と皆で向き合う中で、参加者一人一人が会の主体となって話し合っていく意義と根拠をつかんで、さらに会全体として活き活きとしていければと思います。来年に向けてその手ごたえを少しずつ例会を重ねてつかんでいければと思います。

 これからも,関東ウェーブの会をよろしくお願いいたします。参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

 

次回例会のお知らせ

次回は 2016 7 23 日(土)、次々回は 8 13 日(土)に例会を予定しています。詳しくは後日「躁うつ仲間の掲示板」に UP 致します。