2017 年度第 1 回例会 報告

《はじめに》

 今回の第 1 回例会は懇談会、懇親会を通して、スタッフを含め 16 名の方々が参加して下さいました。      

 

  3 19 日(日)に会員制(正式な当事者会)として、4 1 日よりの会の設立が決定されました。

そのために、設立総会の報告も行いました。

 会のホームページのリニューアルについても報告し、そこにもある「会の歴史」から始まり、総会で会員から挙げられた疑問等を共有し、その場で改めて深めました。

 14 時からの自己紹介では、フリートークに近い自己紹介を試みました。新しい方を中心に、久々の顔ぶれも含めて、次の懇談会でお話しする話題を自然と出し合いながら自己紹介ができたと思います。

 懇談会では、今まで出されてきた大きいテーマである人間関係、お仕事と、将来の展望についてバランス良くお話しできたと思います。とくに、長期に渡って向き合っていかないといけない、シビアな現状やつらさが孕む内容でありながら、笑いあり和やかな空気で前向きなお話しができたことが印象的でした。

 

  以下は当日のスケジュールと,懇談会で話し合ったことの要約です。

《スケジュール》

(1)     自己紹介フリートークと 1400 より 50 分間

(2)     「人間関係について」

     *一人で抱える気持ちの解消

     *切り離せない関係との上手な向き合い方

(3)     2「復職の不安の解消

(4)     3「将来の展望について

     何を望み、何をあきらめるか感想、要望10 分間

(5)     懇談会終了 17:00

(6)     懇親会 18002030

 

 

人間関係について

*一人でもどかしさなどを抱える気持ちの解消

・診断されて間もない。

一人でいる時の感情をどう処理していくか過去のことを振り返ったり、新しく作る人間関係において迷惑かけてしまうのではないかと予期不安にかられる

・ブログをやられたことは?インターネットにおいての同病者とのつながり躁うつカテゴリーが各 SNS にある。輪を広げて、孤独を解消していくことができる。ネットなどでトラブルは起こるけれど、相手の主査選択をしていく。一人の時間だからできること。でも、ネット依存にご注意を!

30 年近く躁うつ病を自覚していなくて、自分のギャップに困惑していた。診断を受けた時に人生の謎がとけた。

・躁うつ病は理解されていない部分もある。一人の時間ができた時は、本を読み漁った。本の中に事例などがあって、参考にしていた。

・対人で解消しようとすると、ストレスになるかもしれない。自分の病気がどういうものかを理解するのは大事。人との関係では抱えたもやもやしたことしかない。

・ネガティブスパイラルから抜け出せるには?

・耐えるしかなかった。やり過ごし。寝逃げ。

・2、3回目のうつはとくにつらい。何もない感じと感じる。

だけど、今ここで生きている人は時間をかけて解決して、人と会えるレベルにはなっている。時間が解決するということを学習していく。真っ最中でも自分は許されるようになれるか。平均して言えばマシになっているんじゃないか。向上しないといけないという風に感じなくていい。

・どんなに長いトンネルでも抜けられないトンネルはない。孤立ということ。この会ができたことそのものが孤独な躁うつ病者が集まれるということから始まった。同じような孤立状態にある人々が共に関係取り戻していく。とにかく長く継続することが重要。

・人情もののドラマ・映画を見ると孤独が解消される気持ちがする。

・波が繰り返していく。最初の内の躁が一番強かった。15 年間自分で試行錯誤してある一定波が収まった。自然に躁は収まっていくものなのかどうか?

・70歳を超えても激躁転した北杜夫などのような例もあるが、病識を持った時点で波のブレは収まってきた。

・波を繰り返していくうちに自分を客観視できるようになった。認知の歪みだと気づけていけば、冷静でいられる部分があるのだなと気が付いた。

うつ真っ只中にはまってしまっている時は全然そういう風には思えない。

・病気であるということで、自己否定の塊にならないには、どうすればいいのだろうか。

・本人にとっては現実なのに、周りはそれは分かってくれない。即効薬的なものはない

・この病気になると、自己イメージを修正してうつを解消したり、躁を振り返るようになれるために、それ以前に自己イメージについて抱いてきた先入観を色々取り払わうことになる。 何で自己否定に向かってしまうのか、と自問自答していく中で、大きく人として成長できる。そのような展望を持ちながら、気長に付き合っていく。

*切り離しにくい関係の上手な持ち方過去の躁転で迷惑をかけてしまった相手や、ストレッサーになる環境から物理的に離れられないとして、どのように振舞ったり、気持ちを持てばいいか。

・人間関係がうまくいかなくなる。「証明」できるような、見える病気ではないので、診断書を見せてみたが、なかなか理解は得られない。

・偏見を持たれるのは怖くなかったか?

・オープンにすると離れていく。障害がある人は残ってくれた、健常者は離れていった。

・自分自身病識がなかった時、おたがいが傷ついてしまった。今の環境から離れずに、なんとかやっていきたい。過去に病気のことで迷惑をかけてしまった人の存在だけで躁状態の起こった時のことを思い出して、心の揺れが出てきた時どうすればいいか。

・職場の人間関係というのは、発症云々以前のことなので、結局そこで我慢できるか。時間がたつと問題が解決する。一人の人のため自分の人生をどうするか、天秤にかけるか。物理的に離したりする方がいいか。何を重点的に主軸として考えるか。

・病気について話せる場所、病気のことは知らないけれど、職場について話せる場所、など、つらい時のはけ口を色々作っている人もいました。

・距離感は大事。近づき過ぎると怖い。できるだけ距離を保っていないと体調に影響をする。

・オープンで仕事をしているが、とても理解がある。

・適切な距離感を取るというのは、言葉で言うのは簡単だけれど、心情としてさっぱり関係を切りたいというのもとても分かる。でも、考えてみると、それをやってしまったら、また同じことにぶつかる。できるだけこちらが高見に立って、相手側の心情を汲み取ったり、認められるようにできるといい。

切ってしまうとこちらの認識も、気持ちの持ちようも切り縮められてしまう。

・切ってしまうと、「つけ」が回ってくる。特に、未だに顔を合わせないといけない場合、当たり障りないところはすっと受け流すようにする。

・ストレス発散法を見出す。泳いだり、サンドバックを使っている仲間もいるよう。ハイの時は仕事がエネルギー解消。自己調整しながら活動的していく。

設立総会の報告

・名称について

2 型が 1 型を遠ざける、1 型が 2 型を躁うつ病と認めない等、両ケースがあるが、いずれにせよ格差を作ってしまい場合があるらしい。

復職の不安の解消−

前職も人間関係でもめて、それが元でうつが悪化して、退職してしまった。またそういう風にならないかという不安がある。・やってみないと分からない。やってダメならいい、また、他にもあるはず、と余裕を持って考えたい。

すごい落胆したけれど、徐々に這い上がってくるうちに、色んなものが割り切れて来た。実際問題私たちは健常者ではない、どこまでやれるか分からない。

・失敗したらすごい恐ろしいとか?

・もしやってみて、ダメだったら逃げる。そういうものもありなのかな、自分なりにも思うけれど、周囲のプレッシャーが強い。

・この病気なる人は養育関係が大きいと思うが、自分の人生で自分の責任もってもいい

・上手くいけば病気の経験も含めて、自分の経験を生かせればいい。逆にすべて自分で背負ってしまうと二重につらい思いをしてしまう。

・これは二つの側面がある。一つは孤立感。世間体は健常者だってあるが、理解されないからより苦しい。

もう一つは不安。今まで続かなかったことについての漠然とした不安が蓄積して、予期不安となってしまうのではないか。でも、逆に考えればそのようなつらい経験を乗り越えてきたのだから、予期不安に縛られず、できるだけ客観的に、もう一度乗り越えて見てもいいと思えるといい。

・なぜか仕事に行こうと思うといけない。拒否反応がひどい。

将来の展望−何をあきらめて、何を望めるか

・何をあきらめているかと言ったら、代表的には結婚や仕事など、人生の大きい決断があると思う。生涯何を望むのが、自分の幸せにつながるのか。物欲は満たせない。何をすることによって満足するかな。個人的には、人たちのつながりを持てた時。

・地位と名誉とプライドは捨てた。うつでも躁でもつらい思いしたから、幸せにつながることは安定している状態で笑って暮らせていること。いつまたおかしくなっちゃうか分からないから、テレビでも、人と会っても、笑って暮らせていくこと。

・普通に暮らせればいいと思う。高望みはしない。

・躁うつ病をまだ受け入れられていない。楽しみを1%でも増やしていく。体を動かす。同じ境遇のもの同士と話して安心感を持って、だんだんつらさを少なくしていく。楽しいことを増やしていく。

・仕事をあきらめないといけないと、何にもないような気持ちになる。人間関係だけは作っておきたい。うつの時にさみしくなったりする、友達を作っていきたい。

・周囲の理解などをあきらめている。将来理解してもらうことは望んでいる。

・寛解はあきらめていない。欲望の反対に不安があるから、欲望が減っていくと共に不安が減っていく。結婚や仕事もあきらめていない。企業が精神障害者を雇わざるを得ないように、雇用率が上がっている。

自分の苦しみ、同様な苦しみをしている人の役に立ててればいい。自殺は平成 24 3 万人 去年 2 1 千人に減った。それが減るような活動。人に役に立つことが自分が満たされていく。

・よく、この病気は「見えない病気」だというが、「見える病気」についてテレビで取り上げいた。「見える病気」は、文字通り見る人が振り返っていくそう。そういうことは私たちにはない。見た目では分からないからつらものがあるが、実際そういう問題を抱えている人を見ると、比較で捉えるものではないのかもしれないけれど、まだ恵まれていると感じる。

意志があるように他者から見受けられる他の病気なども、遺伝の確立が高い。泥沼を経験している人がたくさんいるし、ここに来られないぐらい体調が悪い方々もいる。来れない人たちの声にもなれればいいと思う。捨てなきゃいけないというよりも、やることはそれぞれやっていけたらいいという風に見る。こういう病気になってればこそのような生き方も考えられなかった。

・「普通」をあきらめた。それができたらラッキーぐらいに思うようにしている。満足をどう得るかはまだ見いだていない。

・普通をあきらめないといけないかもしれない。仕事をセーブしていく。今まで通りやっていけない自分を受け入れていく。楽しいなと思えるある程度の仕事をしている。できれば一生懸命心と体と、うまく付き合いながら仕事はしていけない。一人で何とかやっていきたい。海の近くで住んでみたい。

・小さいことで感謝できることがあると思う。体は五体満足。そういうの見つけるのを意識したい。

・名誉を求めていたのは病的なもの。人とコミュニケーション取っていきたい。将来についてあまり深く考えないようにする。

・普段の日常を大切にして、楽しいことを回り見合わせて、探すのもスキルだと思う。

・悔やまない人生を送る。世の中は一人前論(経済的自立ができないといけない)ということがスタンダードだけれども、それにとらわれないように。人として恥じないような人生を送りたい。

・ネットを通じて、皆さんにとって有意義なことを発信していきたい。

・この病気になって、かなり評価される機会が減ったが、人の評価に振り回されないように、あえて評価されることはあきらめた。 損な性分であることを理解した。同病者の皆さんと会を通して、抑圧された状況や、自己否定の塊であることを解消していくことを望んでいる。

・何が普通か、問題を新たに立ててみる。お休みができた分、新しい生き方をする。普通でなくてもいい。

―――

《おわりに》  

 今回嬉しかったのは、2016 年度の顔ぶれが揃って、会の原点である、気軽に悩みをお話しできる場と、運営についての全体の関心という、会が目指す当事者会の持ち方を皆さんと共に実感できたことです。

 最後には、アンケートもいただき、みんなで展望で見いだせて行ける会を年度の最初の例会から感じられたことに嬉しさを覚えました。

 この 10 年間で、孤独な躁うつ病者にとって気軽な交流の場は何よりも必要なものだと実感してきました。その場を継続していくには、排除等のトラブルが起こりがちな躁うつ病者が一体感を持って会を作っていく必要です。

 そうして今年から当事者会としての会員性へと踏み切りましたが、今まで通り会員・非会員問わず、会をすべての躁うつ病者に 開かれたものとし、その上で運営主体をスタッフだけではなく、会員の総意として発展させていきたいです。

 

      

                  関東ウエーブの会 スタッフ会議

次回定例会のお知らせ

 2017 年度第2回例会は 5 月6日(土)を予定しています。詳しくは後日「お知らせ掲示板」に UP 致します。ご参加お待ちしております。

 6月は 3 日(土)を予定しています。基本的に今後の例会は、毎月第一土曜を予定しております。

 お手数ですが、参加の際には参加表明をしていただけると非常に助かります。