2017 年度関東ウエーブの会第 2 回例会 報告
《はじめに》
今回の第2回例会は懇談会、懇親会を通して、スタッフを含め 18 名の方々が参加して下さいました。
14 時からの自己紹介では、フリートークに近い自己紹介を行い、その中で次の懇談会で取り上げる話題を募りました。今回は参加された方々が多いこともあり、とても具体的な話題がいくつも出されました。懇談会では、病気と共にする生きづらさを出発点にして、対策や考えの転換を建設的な形で皆さんと共有しました。
以下は当日のスケジュールと,懇談会で話し合ったことの要約です。
《スケジュール》
(1) 自己紹介フリートークと 14:00 より 50 分間
(4) 3「合う薬を見つけるには」
(6) 懇談会終了 17:00
(7) 懇親会 18:00〜20:30
1「見えないがゆえの生きづらさ」
提案者:この病気は、ほとんどの方が生まれ持っていると思う。
躁うつ病は周りから見て病気でも何もないと思われがち。私は障害ですとカミングアウト
は難しいと思うし、調子が悪い時に、周りに認知してもらうのも困難だと思う。
例えば、バスや電車の優先席に座っている時いて、譲る対象の方が前にいたら、皆さんは調子が悪くても譲るだろうか。
あとは、仕事中に体調が悪くなった時に、病気を認知してもらうことは現実的に可能なのかどうか。そのような生きづらさを共有したい。まず、席を譲るかどうかについて挙手をお願いした:大半の人は譲る・ヘルプカードを身に着けていれば、認知されやすいかもしれない。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shougai/shougai_shisaku/card.html 都バスの営業所などでもらえる。
・カードをつけていても、譲ってもらえないことはしばしば
・寝たふりをしてしまう
・大抵具合が悪い時には出かけないので、あまりこの問題に遭遇したことがない
・障害者手帳を見せても若者を立っていないとダメと譲ってもらえなかったことがある
・優先席でないところにあえて座る
・認知してもらえない理由は何なんだろう?
・相手もこちらの病状が把握しにくいというのがハードル
・「障害者差別解消法」などあるが、平等性を強調すると共に、健常でないが見た目では分かりにくい精神障害者の「違い」、他の障害との区分の違いなどの認知を広めてほしい
・啓蒙啓発がされていない、なぜか?
・就労移行支援で精神障害者を含むことは義務化されていない。障害者基本法は国際障害者デーで、やっと精神障害を障害の一つとして認めた。他の障害者が色んな形で認められてきたのはぱっと見、分かるから。雇用する側からすれば、一見精神障害者は見た目が分からないから雇用対象であると思われるけど、実際はすぐ休んでしまい、雇用対象として見られなくなる。事業主・社会としては経済的に自立できない障害者は雇いにくい。
障害がどうかということそのものに世間として疑心暗鬼なところがある。「なまけ病」という表現がよく使われる。
・見えないということと診断は自己申告的な面が強いのもある。脳の方も器、機だと後者。器だと検査などで見える。詐欺的だと思われてしまうし、実際したい人がいれば、試みることはできるかもしれない。理解を得るという点では、今のとこ我慢するしかないかもしれない。
・一生抱えないといけない病気であり、病人であるということを理解しないといけない。病人として「席を譲って」もらうのは難しい、就業したら不条理があると現実を一旦受け止めないといけない。一生抱えていかないといけないという覚悟。不利益というのをおかしいというのだけではなく、病気であると自分が理解して、自分から動いていく。社会的なダメージを受けるのは覚悟しないといけない。
・明らかに病気が原因であっても、病気のせいにするなと言い続けられる。・生きづらさを焦点に今後も会でぜひとも話していってほしい。
2「人を傷つけてしまう躁の性質について」
提案者:悪気はない、真実しか話していないつもりだから、気を使わないで本音を言ってしまうことによって、相手を傷つけてしまうことがある。どのように対処すればいいだろうか。
・自分が躁うつ病だと知らなかった。波を抑えるようにしている。少し気づかいができるようになった。うつの時より躁の時の方が迷惑をかけてしまう。
・ストレートに言う時は、ハイだからという場合が多いと思うけど、私の場合病気を受け入れていなかったという側面も大きい。SNS で友達を外されちゃう。受け入れるようになったら、自然とコミュニケーションがけんかにならなくなった。
・言えないことをため込んでしまう場合は、一人の時間で発散する。
・しょっちゅうクレーマーになったり、ストレートに行って跳ね返ってくるばかりの人生。
根っから正しく言いたい性質。結構躁うつ病者はそういう意味での正義感が強い。
相手の立場に立って「優しいクレーマー」になることを心がけている。
・悪気がないというのは自分の感じ方、受け止め方は人それぞれ。言い方を変える。病的であると思うので、そうなった場合は治療を受けるバロメーターとする。
・何度か痛い目に合わないとそういう病識がつかない。
・感情がいっぱい出てきたら、認知行動療法で別の受け止め方があるかどうかを書き続けたことがある。心の声でかくのはいいですね。言う前にあのやろう!というのを書いて、何パーセントが悪く受け止めるだろうか、何パーセントが気にしないだろうか、と相手の立場に立って書いてみる。
「初めての認知療法」
「漫画で分かる認知行動療法」大野豊
・認知行動療法がなかなか続かない 長年凝り固まってきた自分の認知は変えるのというのは難しい。
・内観と自己一致 内観は自分を観察するという方法 どんどん自分の心情を突き詰めてみる。躁だといっぱい書く。うつだと「気分が悪くてやってられない」と二行だけでもいい。感情が動く時にそうやって記録していくといい。
・長年作ってきた認知を変えるのは大変と言われたことが重要。長年やっているとそれは性格なのかなんなのか、分からなくなる。これを解明していくのはとても困難。
うつを何回も繰り返して、うつで頭ががちがちになって、躁の時うつの回路になってしまう。一時障害・2 時障害を考えていく。
・アサーション 丁寧に言葉を選びながらコミュニケーションしていくこと
・躁で人を傷つけたり反省されているのだなということが勉強になりました。
3「合う薬を見つけるには」
・合う薬にたどり着いたという方が 5 名
・エビリファイは短期的に上がるんだけど、すぐに落ちてしまう
・血中濃度が達さない
・医者が低め安定がいいと言って、こちらの生活の質 QOL は何も考えてくれない
・うつの底上げが期待できる薬があまり出回っていない
・日本では治験段階のラツーダは、うつの底上げが期待されているよう
・ラミクタールが上げる効果が見られる。ジプレキサ・オランザピン(太る副作用)セロクエル(酩酊感がある)もそう。
4「仕事の反動でダウンしてしまうが、どうすればいいか」
・どうしてもやらないといけないことがない土日だから気が緩んでしまうのかもしれない・仕事をやっている時は気を張っていて、土日に出てしまう
・自分だったら体力をつける
・仕事を精神的・肉体的にストレスをたまらないようにする
・寝るのが一番いい
・人に気を使わない、自分の時間を作る
・躁的になって仕事を乗り越える傾向があるから、セーブしないといけないとは考えている
・躁的なのは、がんばりすぎているから
《おわりに》
今回は、参加した方々が通常より多かったのもあり、色々観点からの意見で各話題を深めることができたことが印象的でした。
今年から当事者会としての会員性へと踏み切りましたが、今まで通り会員・非会員問わず、会をすべての躁うつ病者に開かれたものとし、その上で運営主体をスタッフだけではなく、会員の総意として発展させていきたいです。
関東ウエーブの会 スタッフ会議
≪次回定例会のお知らせ≫
2017 年度第3回例会は 6月3日(土)を予定しています。詳しくは後日「お知らせ掲示板」に UP 致します。ご参加お待ちしております。
7月は1日(土)を予定しています。基本的に今後の例会は、毎月第一土曜を予定しております。
お手数ですが、参加の際には参加表明をしていただけると非常に助かります。