2018 年度第 10 回関東ウェーブの会例会(2019 年 3 月 2 日)報告
今回はゲストの方も招き、事務局員も含めて 12 名の方々が参加されました。
主に三つの話題を中心にして、意見交換を行いました。一つ一つの話題を丁寧に取り上げることができたように思います。最後に総会に向けた事務局からの趣旨を簡単に説明させていただき、参加者の皆さんからご意見をいただきました。以下は報告となります:
1.双極性障害での働き方について
話題提案者:今職場を探していてオープンかクローズドかすごい悩んでいる
※ みなさんに挙手でお聞きした:
* オープン 病名を言って働いている 4 名
* 障害者枠 4 名
履歴書にブランクができてしまうとなかなか隠せない
* 過去にクローズドで働いていた 5 名
話題提案者:クローズドだとうまくいかないもの?
・若くてクローズドでいけるんだったらクローズドで行く方がいいと思う。うまくいかなくても 2 年続けばその経験がすごく価値がある。3 社経験して全部クローズド。一度はうつで、これ以上休んだらクビになるような状態だった。躁転して辞めた経験が 2 回。それでも自信につながる。経験がすごい活きてくる。
もまれた方がいいのかな。ダメになったらオープンにすればいい。
・若い頃は、自由が効く時期だけど、続けられるかどうか覚悟しないといけない。
・大学卒業された後の正社員の就労歴はある?
→ 話題提案者:8 か月ある。激しい躁の勢いでやめて入院して今に至る。
・オープンの方の話しを聞いていると色んな経験されてやっぱり無理だという方が多いイメージ。もちろん元々障害の特性上一般就労ができなくて就労移行支援とかに行っていて、障害者枠で働きたいという就労未経験の方もいる。現実的に考えるとクローズドで働こうとしたら 30 歳を過ぎてしまうとブランクがあったり転職があったら難しい。最近発病された方は職歴はきれいな状態だから病状、主治医との相談でクローズドをお勧めする。オープンはその後。
・30 歳でオープン就労しても未来はある。
・リクルートエージェントに相談する。ストーリーをうまく作る。
・若い時は何かしらやっておく。3 か月派遣でやってみたり。そこで自分の限界が来たとして躁状態になって入院したとしても間あけてオープンでやってみようと思える。自分の中ではきちんと働かないといけないという気持ちはあるかもしれない。がんばりすぎてしまったら大変なことになってしまう。好きなことやってみて、最終的にクローズドかオープンか、どちらかがいいか分かると思う。
・若い人で障害者枠を目指している人はものすごく重い障害者という印象を受ける。
・定着支援というのは?
→ 定着支援というのは就労移行支援でははじめの半年は月 1〜2 回面談、自分が困ったことを会社に言えませんというと就労移行支援が間に入ってくれてスタッフが会社との懸け橋になってくれる。
・職業訓練もある。ウェブデザインなどアプリを作る仕事。
・話題提案者は今すぐ働きたいのか?病状的には大丈夫なのだろうか?
→ クローズドで働いたことがあってみんなについていけなくなって自信がなくなってしまって就労意欲も萎えてしまった。クローズドで働いて変に傷ついてしまったり病気が後退してしまう。クローズドはどうかというのが個人的な意見。
・話題提案者はどんな関係の仕事に就きたい?
・仕事をするにあたって一番不安なことは何?
・うつになって仕事に行けていたか?調子悪い時には行けていた?
→ 自分の場合はうつの時に早退してしまう。仕事をするにあたってその時その場にいることが一番大事。
それができれば充分働いていける。仕事に何を求めているか?
・話題提案者は焦燥感とかあるのだろうか?その焦りがネック。
→ 焦って動くと結構冷静な判断を欠いている時がある。焦っている状態だと目的地への行き方が分からなくなってしまう。焦燥感がある時に衝動的に動くのは反対。それで復職して失敗している。主治医の先生と今こういう焦りがあるその状態で就職していいのかと相談する方がいいと思う。
・ブランクがあるかどうかは大きい
・病気になった原因が仕事かどうか?私はそうだった。やりがいはあったけど戻れるかという話しになると体力的精神面でも難しい。視野を広げてみるのもいいんじゃないかな。
・仕事は一つ一つ色が違う。
・オープンの就労かクローズドの就労かということを考える場合に、できればクローズドの方がいいというのは事実。なぜなのかというと障害者枠という環境が人間的に見て狭い。自分の能力とか無関係に非常に狭いから自分を活かせるのはクローズドの方だと思う。
オープン枠で自分が満足いく職種があるかというと非常に少ない。
その場合考慮しないといけないのが自分の病気がどうなるのか。うつで仕事ができなくなるのか。躁は病識と薬さえあれば抑えることができる。
就職する会社の性格。クローズドで一番多いのはギスギスした会社じゃなくて親方日の丸で昔の会社の体質が残っている、ゆるさが残っている。クローズドを中小企業でやっている人は過去参加者であまりいなかった。
話題提案者:今日持ち帰ってもう一度考えてみて自分の進むべき道を整理してみたいと思う
2.人への依存
話題提案者:私は依存されている側。毎日のように連絡が来る。電話をしだすと止まらない。多弁。回数も多い。一人の時間を楽しんでいる時に連絡が来る。全然関係ない話題を振ってくる。依存されているのに対しての対処法があったらいい。
・私たち躁うつ病の人間も依存している場合があって、その反省点というのもあるかもしれない。人依存って何だろう?
・人に依存してしまったという経験ある方がここに何人いるか?
→ ※ 挙手で聞いたら、大半だった。
・依存していいと思う。脳性麻痺の医者、熊谷晋一郎:自立とは依存先を増やすこと。それがすごいいい。
親にも彼女にも会にも依存している。前提として、分散してみんなに依存できればいい。
・自分はすべて一人でやっていると勘違いしている人もいる。人間は世界的依存関係ではじめて成り立っている。
・話題提案者は他に頼れる人はいないの?
→ 軽い躁だとサービス精神旺盛になる。
・話題提案者は縁を切りたいのか?
→ いい面はある。とってはおきたい。ただ、時間を減らしたい。どう言えばいいんだろう。
・スキル的なこと言うと、私は適当なとこで処理するから、そういうものを用意しておく方がいい。アラームをつけておく。
・話題提案者は共依存?
→ 依存されていることに自分の役割を果たさないといけない気持ちになる。
・連絡が取れなくなったら悲しい。
・ラインスタンプがいい。
・これ以上言うとダメなんだなとこれとなく伝える。今無理をするとこの関係やばいなと思わせてしまう。一定の距離感を保つ自分の心境を持たないといけない。共依存している場合はなかなか切れない。おたがい良い距離感を保つという関係を作っていくのが大事。すごい躁の時にメールを出しまくってよく無視してくれた時はありがたかった。
・オンラインカウンセリング 臨床心理士とカウンセリングできる。ズームでやってみるのもいい。
話題提案者:相手は、同病者と会うと病気をもらってしまうと言っている。私が行けていることを尊敬しているとのこと。
・一般的な人間依存ではなくてその人は話題提案者に依存している。話題提案者以外に依存する人がいない。
その人が自由になれるためにも距離を保ってあげる。
・嘘でも予定を作ってしまう。
3.医療関係とのコミュニケーション(心理療法は?)
薬以外の話はしているかみなさんに聞いてみた。
・診察時間を 15 分から 20 分取ってくれる。ちょっとしたカウンセリングみたいなことをしてくれる。世間話。
・10 分から 20 分聞いてくれる医者だけどてしまんとしたこと言ってくれないし。お医者さんでカウンセリングを求めるのは無理がある。
・カウンセリングは傾聴するというのが主流。
・今通っている病院が大体 10 分ぐらい。基本的な日常生活も話すし、体調を聞いてドクターストップをくれることもある。
・仕事してて仕事の内容を先生に話していた。先生が止めなさいとアドバイスしてくれた。
※ カウンセリングを受けていた人がいるかどうか聞いてみた:
* 受けていた 1 名
* 過去に受けたことがある 6 名
・カウンセリングはどうか?書記みたいに書いてくれる。気づきがあったり。焦点もこことここと。聞き役になってくれる。
・治験で週に 2 回カウンセリングをやってもらった。暴露療法。幼児体験に問題があることが判明。今でもノートを振り返る。
・カウンセラーとの話で場が持たなくてすごい厳しい。問題はあまり解決できていなくて。・シートを作って生活リズムを整える。激躁にはカウンセリングは手立てはないのかな?
・訪問看護。
・日本では躁うつ病にはカウンセリングはダメだとか害ありと言われていて、実際躁うつ病のカウンセリングをできるスキルの人がいない。
・非常に高いが、バイポーラーワークブック
・精神病には、外因性 内因性 心因性とある。
カウンセリングは心因性に効く。
PTSD には EDMR。
躁うつ病には内因性な側面もあるかもしれないけど、心因療法はあまり効果がない。
人間だから話し聞いてもらうの。
トリガーは心因性だったりする。心因性のストレスはほぐさないといけない。そういう点ではカウンセリングは必要。精神学会にはカウンセリングするスキルは求めたい。
4.気分転換の方法
→次回例会に回す
5.総会に向けて
事務局より:
会員資格認定所には会員資格の期限が 3 月 31 日というふうになっている。しかし会則細則には定めていないからそこらへんがあやふやになっている。会員資格では年間で切ってしまう。何年度の会員、何年度の会員、何年度の会員、というふうにして、そうしないとずっと来てる人でもずっと払っていない人は未納ということで未納分が溜まってしまうというふうになってしまうので。それを次の総会で会則を改定してそういうふうにはっきりさせたい。
二点目は賛助会員。会員制になる前までは会員とその家族・交際相手は基本的に同じ資格で参加していた。だけども会員制にしてからは当事者が主体ということで家族の方は会員ではないという形になっている。この会以外の方と家族を一般会員どういうふうに分けていくか、他にいい名前がないので賛助会員はどうかと案として挙がっている。
一応会則的に言うと「関東ウェーブの会の精神と会則細則に賛同してその目的のために当事者とともに歩んでいただく方」とか。一応事務局が承認するという形にしたい。何で当事者だけに限ってきたのかということがある。当事者以外の人がいると打ち解けて話すことができないとか、そういう方も結構多くいらっしゃって。躁うつ病特有の問題があるんでそういうふうにしてきたんだけれども、この間の横のつながりの強化とか家族の方の位置づけとかそういうことを考えると賛助会員というのを置いた方がいいんじゃないかということです。
それでみなさんの意見を聞きたい。最終的には総会で決めること。
・会員になる特典は?
→ フリーパス、議決権。
・賛助会員の特典は?
→ フリーパス。
お金で支えてくれるイメージじゃないから 1500 円ぐらい?
・部外者感覚・疎外感・抵抗感とかないか事務局より:
この会の目標というのは何なのかというのが賛助会員というのが関わってくる。バリアフリー、偏見がないような活動するのだったら絶対に賛助会員。悩みの場にするならばあまりよく分からない人が来るなら。そこの場は本当に確保でいるのか。目的みたいなものをはっきりさせておく。
・社会向けベースに聞こえる。
・集まることのできる場が中心。
・賛助会員はいいんじゃないか、時代にも合っていると思うし。
・同病者だけが会員だと狭くなってしまう
・賛助会員制度は押し出していくのか?
→ それは予定していない。
・自然のつながり合いができてくる人たち。
・賛助会員、母が関東ウエーブに興味がある。そういう制度を作って下さるんであれば母も来やすい。母親の友達に行ったよと話しを広めて関東ウェーブ自体も広まる。
議決権自信は当事者に置く。それは譲れない。
議決権というのはないけど会の運営に対して一切言えないわけではない、ただ投票はできないということ。
意見を言って反映させるということは可能。
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懇談会の報告は以上です。
終了後の懇親会では、夕食を食べて、歓談しました。その後、有志で二次会を行い、居酒屋へ行きました。
みなさんお疲れ様でした。また会いましょうね!