2018 年度第 3 回関東ウェーブの会例会(7 月 7 日)報告
今回は事務局員も含めて 13 名の方々が参加されました。
暑さにより体調を整えづらい時期にも関わらず、お集まりいただきありがとうございました。
七夕当日ということもあって、まずレクリエーションとして短冊にそれぞれの願いを記入して笹に飾りました。
個々の近況報告とともに、それぞれの願いの発表を行いました。その後、主に二つの話題を中心にして、意見交換を行いました。
最後の話題では最近のニュースについて事務局から提案させていただいて、色んな奥深いお話しができたと思います。
話の流れとしては以下の通りです。
1. どのような状況でストレスを感じて、そのストレスが躁うつの症状にどのように影響をもたらすか?
話題提案者:過去ストレスを感じていた時期のこと、今になっては、どのタイミングで負荷がかかっていたのか分かるのだけど、リアルタイムでは認識出来ない。
今後の参考のために、皆さんがどのような時にストレスを感じられているか、経験を聞かせて頂きたく話題提案しました。
・人から圧迫される時、怒られる時。昔パワハラを受けた時にうつだなと感じた。
⇒ 仕事の負荷がかかっている時にストレスを感じる時が多い?
⇒ 多い。うつの発端となった。
・やらなきゃいけないことがたまっている状況にストレスを感じる。ストレスでイライラが始まり、そのイライラでストレスが更に溜まり悪循環となる。
普段なら簡単に出来ることであっても、イライラしていると落ち着かなくなって出来なくなる。
・価値観が真逆の人と長時間一緒に居ることがつらい。
結構重たいケースを何件も抱えていると睡眠時間もなかなか取れなかったり。
良い改善策が全く見つけられない。
睡眠がきちんととれていなかったら、発狂してしまうとさえ感じる。
・病気による、病気の引き金となるストレスということ以外に、そもそもこの社会に生きていてストレスを感じている人は普通にいると思う。・ストレスがどちらかというとメンタルより身体の状態に出てくる。
身体の状態を改善する方が自分としてはいいのではないか。
ストレスの原因について考えるのではなくて自分の症状に焦点を当てた方がいい。
⇒ 具体的な身体の症状とは?
⇒ やっていることが支離滅裂になる。身体がめちゃくちゃになっているのに、車を買ったりすることがある。
・理不尽な行為を見た時に躁転する。うつに影響するストレスというのは睡眠が上手くいかなかった時に多い。
人の話しをうまく聞けないというのがものすごくストレスになる。
・躁うつになったきっかけが家庭環境、家族にも精神障害がいてそれが今の自分のベースを作る一部にもなった。きっかけになったのが上司がきつめのタイプの人で自分なりにやっているつもりなんだけど認められなかった。
発症してからのストレスの受け方が違う、感情の起伏がすごく激しい、ネット記事などでも、理不尽だとイライラする。発症の沸点が低くなっているから対策を取っていくのが難しい。
話題提案者:今聞いた話しを自分に結び付けられることがあって、参考にできればと思う。
・趣味を楽しめなくなった時にストレスを感じる。例えば趣味がライブ(コンサート)なのだが、前日になると、よく身体を休ませないといけないと考え始める。自分の場合考えすぎてしまって、逆に眠れなくなってしまう。
ライブの時、一回会場に入ってしまうとトイレに行きづらくなるので、ギリギリまでトイレ付近にいるようにしている。
自分の前列の人が背が高くて、ステージが見えない。更に帽子を被っていられたりすると、余計に見えなくて、演奏に集中できない。
・病気を友達が理解してくれない時。普通な人と同じようなことを求められる。
どっか行こうと言われても、ついていけない場合がある。
・七歳当時から感じた事 自分がこの世に存在していることがストレス。
大学一年生 自我同一性 自分が何者か分からない。
夫婦 他人じゃなくて自分。
目が見えづらいのがストレス。
ストレスのさなかでは自分がストレス状態だという自覚を持てない。
ストレスというものは自分を客観視するということで初めて関係がはっきりする。話題提案者:ストレスを感じる時に気付けない。躁が典型で、ストレスとは感じないが反動が来る。
⇒ 話題提案者:躁うつの波を自覚したいというのもある。
・(事務局員より)現在、ストレスを感じている。司会の補助。時間通りでやらないといけない、みんなの意見を汲み取らないといけない。軽躁になってしまう。
本人にとって少しのストレスだったら成長の場になる、私たちにとっては少しのストレスではない。
健常者にとってのほんの5cmだったら1mぐらいに感じている。
・順調な時ほど躁転してしまうのではないかと不安を感じてしまう。
・仲間といるとストレスを感じない。一人で居る時ストレスを感じている。消えてなくなりたくなる。
話題提案者:ストレスをリアルタイムで感じられない人と感じられる人が分かれる。
自分だけストレスを感じられないと思っていたけど他にいると分かって安心した。
2. この病気の人たちならではの座右の銘
・「い〜いかげん」
むちゃくちゃに仕事するのではなく、適当に仕事をサボる(タバコ、トイレ)さじ加減。
これである程度のものはしのげる。
・「適当に生きる」
高田純次が良く言っている。
・「給料泥棒」
がんばりすぎない。
・「人にやさしく」
躁転しないように。
・「そこに愛はあるのかい?」
人をやりこめたくなるけど、やりこめても良いことないので。
愛はあるのか?と自問自答している。
・「死ぬ前に後悔しない」
いつ死んでも後悔しない。 → 今どういう生き方をするか。
・「眠りは狂気を遠ざける」熟睡、安眠。
・決して働かないが座右の銘だったが、
「決して頑張らない」に変わった。
・「気分屋的に生きると気分は安定する」神田橋條治先生が仰っている。
一人暮らしの方が人のことを気にしなくていい。
・「同病者を鏡にして生きる」
「自分は〜」とやり込めるのではなく、仲間を鏡にして、自分は生きていていい。
・「人と同じレベルで戦わなくていい」
人と同じことができない、なぜ人と同じことをしなければならないのか?
3.日本精神科病院協会 会長「精神科医にも拳銃を」と紹介記事
https://www.asahi.com/articles/ASL6Q5KH0L6QUCLV00Y.html
事務局員より:日本の精神科病院の85%が参加している日本精神科病院協会の会長が、「精神科医にも拳銃を持たせろ」と朝礼で部下が言ったことが興味深いとして、日本精神科病院協会の5月の会報誌で紹介した。これが判明して批判が殺到した。ニュースとしては、NHK 以外はまったく取り上げられなかった。
発言した医師はアメリカでは警備員がいて拳銃も携帯していると、日本でも患者の暴力に対して防衛するために銃を持たせるべきだと発言したそう。
考えてもらえれば分かると思うが、例えばアメリカで黒人に対して同じようなことを公的機関の人が発言したら、大問題になる。もっと取り上げられてもいいはず。ネットの中である程度拾える程度。
なぜ、こんな大問題がもっと大きく取り上げられないか?推測するしかないが、こちらの記事(http://www.asyura2.com/18/senkyo246/msg/710.html)を見ると、安倍首相と肩を組んでゴルフコースを回って会食をしているという非常に仲の良い存在だということが分かる。直接ではないにしろ、非常に大きな影響はあったと思う。
何で私がこの問題を取り上げたかというと、どの国の歴史でも基本的に同じだが、少なくとも国
の側の政策として精神病対策というのは、福祉政策ではなくて、治安政策として行われている。日本でも戦前からずっとそう。ライシャワー事件などをきっかけに、治安政策に走る。しかしその動きは基本的には社会の暗明。表向きは国の安全を保護するということでありながら、実際は異質な分子を排除、それを統制するということ。
それに対して、ヒューマニティ(人権)を重視する側から声が上がってきたけれども、今の社会を見て、ヒューマニティを重視する側の方が圧倒的で、基本的には精神病対策というものが福祉目的が基本なのかというとそうではない。その大きな現れとして今回の問題が出てきている。行政的に精神障害者を統括しているのは保健所、今で言えば保健センター。障害者手帳、自立支援をすべて保健センターが管轄している。この発想は福祉目的ではない。障害者手帳で自立支援をあげますよということで、精神病者がどこでどういう存在かということを行政的に掌握できる手段として考え出された。
それに対して相乗り的に福祉側の意見が乗せられていくという感じで進んできた。例えば、希死念慮がある人が相談しに行って、根ほり葉ほり聞いてくる。それで、何か対策をくれるのか、医療機関を紹介してくれるのかと聞いたら、それはしない。では、何のために聞いてきたのかというと、何かあった時に警察に報告しないといけないから。まともにそう言っていた。
そういう意味では、保健センターは一方では福祉的な衣をまといながら、一方では治安政策として国は考えている。そういう点から言えば非常に問題だということで、今回の問題を色んな精神障害者の団体が抗議をしているわけだが、我々も一応当事者会として考えておかないといけないということで、私の責任で提案させていただいた。
以上。
・(精神科に銃を持たせろの)本文はないのか?事務局としては何を訴えかけているの?
・事務局員:躁うつ病者の診断基準や治療も、患者目線ということではなく、社会的に迷惑をかけたかどうか、その中で措置入院を被ることもある。福祉ではなく治安政策。患者主体ではない。
果たして我々は一方的に統制されることを問題視する必要はないのだろうか。
・全精連は関係あるのかどうか?
・安易な拘束 保護室にぶちこまれる。二回そのような経験がある。自由度を奪われる程度も段階がある。
・ニュージーランドの方が拘束され死亡した問題については、2017年度第5回例会でも取り上
げられた。
2017年度第5回例会報告より;
大和病院事件(日本では 77月に発覚した、5月に神奈川県の大和病院でニュージーランド人の躁うつ病男性が 10 日間拘束された後死亡した事件)について: https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki/shintaikosokuzehi?utm_term=.axKR4jP2pj#.dfMJQK2ZDK
・両手も足も拘束された経験がある。
全部で四日間、必要だったと主張されたけど、はっきり言って拷問。
案外安易に行われているというのが事実。
・このような発言の根っこには、夜勤時間帯の看護人数が足りないという問題もある。
・日本の精神科医療は歴史的に治安維持のためにできている。1919年の精神病院法、国立の精神病院を作らないといけないということだけど、ほとんどが作られてない。
民間にほとんどやらせていて、民間の病院経営者が儲かっていた。
「伝統的」な精神病者の扱いが引き継がれている。
・明治、大正、平成と歴史を振り返るとあまりにもひどい。精神障害者は法律的にも雇用促進法、座敷牢、自宅監置、そういう中に押し込めて生かされ続けてきた。政策的にも法律がなかなか精神障害者の状態に対応したものに追い付いていない。逆に治安の対策として、精神障害者が怖いというイメージが払拭されないまま、民間の病院をいっぱい建てて、儲かった。
精神障害者が劣悪な仕事をやらされている。
2572 人自殺?氷山の一角。昔の流れが息づいている。
・精神病の方々の流れに乗っかって言うと、6 月の終わりころ、障害基礎年金をいただいている方が打ち切りになるというニュースがあがった。それが困ったこと(見直されて、廃案になった?)。それで今、精神病業界会長(事務局注:正しくは「日本精神科病院協会会長」)、安部さんがマブたちだという写真を見てそういう絡みがあるのではないかと思った。
事務局員より:
精神障害者の取り扱いが福祉目的、治療目的というより治安目的、利益目的という歴史的流れがあるとすれば、患者主体で考えられるのは私たちだけだからこのような問題意識を持とうということで取り上げさせていただきました。
懇談会の報告は以上です。
終了後の懇親会では、夕食を食べて、歓談しました。その後は有志で二次会を行い、居酒屋へ行きました。
みなさんお疲れ様でした。また会いましょうね!