2018 年度第 5 回関東ウェーブの会例会(9 月 1 日)報告
今回は事務局員も含めて 11 名の方々が参加されました。
暑さにより体調を整えづらい時期にも関わらず、お集まりいただきありがとうございました。
主に三つの話題を中心にして、意見交換を行いました。
最後の話題では最近のニュースについて事務局から提案させていただいて、色んな奥深いお話しができたと思います。
話の流れとしては以下の通りです。
1.社会復帰に向けてしていること
まず、「社会復帰って何?」というところから話しました。
・病院では、患者様の人権を尊重して、社会復帰の手助け、ノーマライゼーションが大きい目標となっている。
就労を目指しているのであれば、現場復帰・職場復帰という表現なら分かるが、社会復帰という言葉は嫌い。そもそも我々は社会にいるのではないか。社会を限られたものにしているのではないか。税金を払っているから、など。社会の定義を広げたい。社会復帰もへったくれもない人もいる。
躁うつ病者はすべてを失ってしまう人もいる。
社会って何?
・我々が社会に属しているのだから、社会の側が変わる必要がある。元々のノーマライゼーションはそういうこと。
・話題提案者にとって社会復帰はどういうことだったのだろうか?
⇒ 主に就労に向けての復帰=社会復帰。
人それぞれだとは思う。
病気で家事ができなくて、そこから専業主婦として家事ができるようになるのも社会復帰。
体力を作ること、自分の就きたい仕事に合う資格をつける。
・職場復帰という表現は限定している。労働的なものに従事していて、何か役割を持つ。
・話題提案者へ:社会復帰したい理由は?
⇒ パートナーとの生活、共働きを考えている。二人とも仕事を安定させたい。
将来設計には欠かせない。
・経済的な自立が社会復帰なのか?
・もしもこの会が平日に行われていたらいけなかった。
前の職場で人間関係が上手くいかなくなってしまって。
障害者手帳がある、障害者というラベルを繕うことが障害なのであれば、障害者、健常者という線引きもグレイ。
もどかしい。躁のコントロール、睡眠のコントロールの難しさもあって、経済的自立というハードルが高い。
・躁うつ病のエネルギーを社会の枠組みに当てはめる感じで発揮できない。
司会:社会復帰に向けてしていること、具体的に何かあれば。
話題提案者:就労移行支援に二か所行ったけれどダウンしてしまった。パソナに所属する予定。
・障害者雇用は事務職が多い気がする。
知的、身体とできることに合わせて役割分担が考えられている。
・タイピング練習をしている。パソコンのスキルの基本。
就労移行支援に行っていると弱みが見えてくる。
色んな障害の人たちがいるから今までの経験での接し方が分からない部分が出てくる。
コミュニケーションのスキルアップにもつながるかなと思って訓練という形で行っている。
話題提案者:例えば就労移行支援、一日が終わってから、家で何かしていることはあるか?
⇒ 一切していない。つぶれた要因が仕事とプライベートを切り離せなかったことだから。
話題提案者:自分がつぶれないためにしていることは何か?
・趣味に打ち込む。金銭的に余裕があるときはゲームセンターに行ったり、家でひきこもってアクセサリーを作ったり。それを売りに出す。
・出かける予定があるときに思いきり楽しむようにしている
・休職の期限がある。まだ仕事をしたいという気分もない、焦りもない。
さっき復帰というのはどこかに戻るという意味合いが含まると言われていて、家にいて、うまく回っていく状態なのかな。
自分でそれなりに外出できて、私の戻りたい場所かな。
自分がつぶれないために休むというのは多分苦手。休み方は寝ることしか知らない。不安定な時に飲みに行く(人と話せるとこに行く)。
何が自分を落ち着かせると分かるよういい循環を作れればいいかなと思う。
・社会とは何かというのは難しい。引きこもっていても、自分の症状に翻弄されず小世界がなり立っている。
・社会という使い方が完璧に分裂されている。
人間は社会的動物。
そういう場合は仕事とは限らない。
・ハムスターが社会性があるかどうかという点では単独で生活して会うと殺し合いになると言われていたのが、最近ではおたがいを毛づくろいしたり、超音波で話すと言われたり。
そういう意味合いでの社会性。孤立していないこと。
でも障害者というのは社会性から疎外されているとイコールぐらいだからジレンマ。
そのような自己否定に翻弄されない病識を持つこと。
・睡眠を安定させていること
・ご近所とうまく付き合えない。孤立老人が集まるサークルがあっても、躁うつでもはねられちゃう。
人に誘われても、うんと言えない。その日に具合が悪くなってしまう。
だんだんよけられてっちゃう。人の輪に入れない。
自分が相手を傷つけてしまうのではないかと話しかけるのも弱気になってしまう。
それができることが、私にとっての社会復帰。
・社会復帰という言葉を改めて考えてみると、仕事を始めてみれば社会復帰というのは主眼になっている気がするけどそうでもないような気がする。
仕事をしていないから社会復帰をしていないというわけではなく、色んな制度、障害者福祉年金、生活保護の活用、生きていさえすれば、社会に属しているという考え方もできる。
おのずと社会復帰につながるという考え方もできる。
言葉を変える方がいいかもしれない。リワーク。
・負のスパイラルが世の中にあるような気がする。
仕事をしています→不景気で給料が低い→過重労働になる→最悪の場合過労死になってしまう
→うつ病になって、おのずとリタイアして療養する。
そこから復帰しようとしてできない人もいる。制度の利用になってしまう。
・基本的に障害者枠というのは最低賃金。キャリアにはならない。・何かしらスキルがある人が企業に入ってくれると障害者雇用率につながる?オープンだとあまりにも職種が少なくて給料が低い。
・一人前論。あの人は一人前。その考え方が自分の食いぶちを自分で稼いでいるかどうか。自分が自分の生活を成り立たせるだけの給料をもらっているかどうか。人間の社会は物の生産で成り立っているけど、とんかんとんかんと作るの、直接生産しなくても。精神的な生産もある。はっきり言ってこのシステムは限界に来ている。
・主婦業=シャドーワーク
・社会側が変わる。それを変えることを我々が促していく。
2.薬による副作用
話題提案者:体重の増加の副作用。他の人もそういうことがあるのかどうか。太る副作用がある薬を知りたい。どういう対処を受けるのか。
・ジプレキサが一番多い。食欲増加という副作用がある。食欲が増えるだけじゃない。代謝が悪くなる。脂肪がつきやすくなる。相乗効果になる。
・セロクエル、マイスリー。夢遊病で食べちゃう。記憶がない時にチャーハンを作っている。30分ぐらいしたら胃が動く。
・耳つぼダイエットしていた反動、躁、セロクエルで半年で40キロ太った。食欲が止まらない。
・抗精神病薬(リスパダール)で、ほとんど物を摂取しないけど太っていく。
・話題提案者は食が細い。食べると吐いてしまう。気持ち悪くなってしまう。
・5食と小分けにする方が痩せると言われている。
・トピナというてんかんの薬の副作用が食欲を抑える。副作用を利用する。
↑ 個人差がある
あまり増やすと肝機能に負担がかかるので漢方が出されている
・夜まとめて飲んでいる?
⇒ 話題提案者:寝る3時間前ぐらい
⇒ 床につくさらに3時間前に飲む方がいい話題提案者:皆さんにとって合う頓服、合わない頓服をお聞きしたい
・ジプレキサはすごく眠くなる。感情が平板になって楽になる。
・床につくさらに3時間前に飲んだら、次の日に引かない。
・不安時のために処方されている、すぐに利くソラナックスを飲んでいる
・リボトリールはいい頓服。メジャーと違って、優しい感じで効く。
3.障害者雇用水増し問題について
事務局より:
普通の企業は今から調査になると思うけど、官公庁で障害者枠では 2.5%雇用しないといけない
⇒ 精神障害者だけ?
⇒全部。でも精神障害者が障害者枠で増えている。もう身体、知的が既に埋まっている。
障害者雇用率を上げていった。
2.5%の半分をごまかしていた。障害者手帳を持っている人をカウントすることになっていたのに、持っていない人もカウントに入れていた。
・雇用率、公の機関が2.5% 有限期間が5年。制度だけが先走って動いてしまって、受け入れる側の整備ができていなかった。
・普通の職場に障害者をねじ込むのはかなり無理がある。
報奨金をもらえるんだったら仕事っぽいことさせておけばいいやという感じ。
・障害者雇用は賃金が安い。決められたパーセンテージの人数を雇わないと月5万円の障害者雇用調整金。障害者雇用を促進するためのお金というけど実際は罰金。
・例えば10人の障害者雇用満たさないといけないのに5人だけだと5万円×5人で25万円を国に払わないといけない。国の場合のペナルティはない。
↑身内でお金出し合ってもしょうがない。
・障害者雇用は報奨金を5万円出されている。じゃあ実際私は誰に雇われているのか?賃金の半分近くを国が出している。雇用者は半分はそこの会社だけども、半分は国。調整金と言いながら実質的には罰金として。
もっと企業がダメージを受けるのは、官報に公表してしまう。要するにブラックリスト。そこに出るのが一番恐ろしい。障害者雇用をちゃんとやっていないという風だと企業イメージとして良くない。官報に乗せるということが強制手段。
・障害者雇用促進法、福祉予算を削って就労移行支援に膨大な予算が言っている。
普通の人から見えているのは、障害者が働いているからいいではないか、という感じだけど、会社から見るとお前雇っているから国から予算が出ている、会社もそういう態度、同僚もそういう態度になる。
ノーマライゼーションは障害者が健常者と交流することによって〜そういう風にならない。健常者と障害者のいびつな関係。職を取られているなど。
・実際それで障害者がその機会を与えられれば力を発揮できる。
欧米諸国と比べると環境を与えられていない。
無理が生じてこういう問題が出る。
・身体、知的と比べて精神が遅れている。
雇用主が一番嫌う人は休む人。途中途中で。
躁うつなんて最たるもの。
・既に国の謝罪の中で障害者の雇える環境にしています。というのは自ら障害者の雇える環境を与えていなかったと認めるようなもの。
本当に精神障害者を理解して受け入れる体制が作れるかというとものすごい投資が必要。
・精神障害者が雇われた時にジョブコーチがつく。ジョブコーチの中でも質が違う。
・精神障害者が一番最後になったのは企業にとって一番負荷がかかるということで、この問題を政府がちゃんとしますからということで解決するかというと、そうでもない。
地方自治体の問題も出てきているし、企業も。制度の根本に問題があると次第に出てきてくる。
懇談会の報告は以上です。
終了後の懇親会では、夕食を食べて、歓談しました。
その後は、有志で二次会を行い、居酒屋へ行きました。
みなさんお疲れ様でした。また会いましょうね!